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私の好きな映画

cine-ma
2025/04/22 23:57

2025年に観た映画(20) 「ネムルバカ」

ゴーストキラー」と違って、こちらは正真正銘の阪元裕吾監督作品。
古めかしい大学の女子寮でルームシェアする女子大生2人の日常。
バンド活動に入れ込む先輩ルカ(平祐奈)と、先輩大好き病の柚実(久保史緒里)。女子大生感はあまり感じられないこの2人の悶々とした貧乏暮らしが横軸ならば、ルカ率いるインディーズバンド、ピートモスの音楽が縦軸として物語の起承転結を奏でる本作。

ベイビーわるきゅーれ」でうら若き十代の殺し屋の日常を活写した阪元監督。本作においても登場人物のキャラ立てが上手くて、他人にはどーでもよさげな彼女たちの日常を淡々と描きつつ、コミカルなネタを程好く巻き散らす。
周りがほわんほわんとした大学生活を送る中、一人音楽活動に傾倒するルカ。下北沢のライブハウスでの演奏シーンがめちゃイイ。漫画で描かれる無音の音楽に実際の音色を付ける映画化という過程で生まれた、ピートモスのビートとルカの歌声が耳に残る。俺も好きだよ、「ネムルバカ」。

やりたいことのある人の悩みも、やりたいことのない人の悩みも、何かしたいけど何が出来るのかわからない人の悩みも、人類皆平等。そんなあなたの悩みごと吹き飛ばしてくれる、本作のクライマックス。
そこいら辺に転がる日常とメジャー・デビューという夢の実現とを交錯させながら、ロック・ミュージシャン鯨井ルカが観客に届ける痛快なるカタルシス!そのシビレる展開に心躍った。私は「シング・ストリート 未来へのうた」で主人公コナーの兄が放った「Rock N Roll Is A Risk(ロックンロールには覚悟がいる)」というセリフを思い出した。
そして本作は、応援する人を応援する映画なのだ。

上映終了後、心の中で拍手を送りました。
ルカ先輩と柚実の未来に幸あれと。

№20
日付:2025/4/20
タイトル:ネムルバカ
監督・共同脚本:阪元裕吾
劇場名:あつぎのえいがかん kiki スクリーン1
パンフレット:あり(¥990)
評価:6.5 

(c)石黒正数・徳間書店/映画『ネムルバカ』製作委員会
(c)石黒正数・徳間書店/映画『ネムルバカ』製作委員会
(c)石黒正数・徳間書店/映画『ネムルバカ』製作委員会
(c)石黒正数・徳間書店/映画『ネムルバカ』製作委員会
(c)石黒正数・徳間書店/映画『ネムルバカ』製作委員会
(c)石黒正数・徳間書店/映画『ネムルバカ』製作委員会

 

観賞後、原作を拝読。私的には映画が先でヨカッタ!最優秀脚色賞を贈呈したい阪元版「ネムルバカ」。原作の刺さる台詞を散りばめながら、曲の誕生秘話が明かされるタイミングも絶妙じゃないですか。

ミニCD仕様のパンフレット(¥990)
パンフレットの中身

<CONTENTS>
・PEAT MOTH 我蛾ソングリスト
・イントロダクション
・ストーリー
・インタビュー 久保史緒里 × 平祐奈
・インタビュー 綱啓永 × 樋口幸平
・キャスト
・インタビュー 阪元裕吾
・インタビュー 尾崎世界観
・インタビュー 寺田悠輔 × 藤井宏二
・音楽作家コメント
・対談 石黒正数 × 阪元裕吾
・スタッフ
・エビの身の無い海老天丼レシピ
・クレジット

 

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