「戦争の映画」を時系列で並べてみた件 ~Vol.2~
前回は第二次世界大戦勃発直後を描く3作品をご紹介いたしました。
さぁ、どんどん参りましょう。
※実は3年ぐらい前の夏に急に思い立ってこの手の映画を片っ端から観たモノを抜粋して改めてご紹介してます。
これらも、他にもFilmarksでたくさんレビューを書いているのでよろしければどうぞ!
https://filmarks.com/users/matchypotter
4.『イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密』(2014)
1939年~40年頃、イギリス。
第二次世界大戦勃発後、天才数学者のアラン・チューリングがドイツ人が誇る難攻不落、解読不能と言わせしめた暗号機“エニグマ”の解読に挑む。
このアラン・チューリングを演じるのがベネディクト・カンバーバッチ。
数学で暗号に挑む。そして、彼が巨大な暗号解読機を開発し、それを前にして驚愕の確率論を展開して挑む姿が印象的。
実際の史実でもこの彼の“エニグマ”の解読、そして、それを敵国側に秘匿にしたことで、かなり戦局を優位に進めたと聞く。
現地で戦ったり、弾圧を受けたりするだけが戦争ではなく、“暗号”という武器を叩くのも戦争だと知る。
5.『聯合艦隊司令長官 山本五十六 -太平洋戦争70年目の真実-』(2011)
1939年~、日本。
第二次世界大戦勃発から日独伊三国同盟を経て、41年の真珠湾攻撃、42年のミッドウェイ海戦とガナルカナルの激戦。
日本も有事に突入した一連の過渡期を山本五十六という“アメリカとの戦争に反対していた”連合艦隊長官の目線で描く作品。
山本五十六を演じるのは役所広司。厳しい中でも優しい人柄で、周りからの人望などもあり、何となくこれまでの山本五十六もイメージが覆った作品。
その他、玉木宏、柄本明、柳葉敏郎、阿部寛、吉田栄作、椎名桔平などなど豪華キャスト揃い踏み。
最期まで現場を思う彼の最後の描かれ方がとても印象的な作品。
6.『ウィンストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男』(2017)
1940年、イギリス。
チャーチル英国総理大臣就任。ドイツとの講和路線が動く中、「言葉」で世論を覆し、国を強くし、戦い抜いた1人の政治家の物語。
この映画は、何を差し置いてもまず伝えるべきことはこの恰幅の良いチャーチルを演じているのはゲイリー・オールドマン。
その変貌ぶりに驚愕。アカデミー賞で主演男優賞を獲得するが、メイクアップ&ヘアスタイリング賞も受賞するほどのメイク力がスゴい。
チャーチルという第二次世界大戦を代表するような政治家の1人をこれ以上ない威厳と迫力で描き切る。
後述する『ダンケルク』にも触れていて、繋がりを感じる。
7.『ダンケルク』(2017)
1940年、フランス。
フランスのダンケルクでドイツ軍の勢いに押され、追い詰められた40万人のイギリスとフランスの連合軍。
これを救うために決行した後に史上最大の撤退作戦と呼ばれる救出劇を描く。
監督はクリストファー・ノーラン。この監督にしかできない濃厚で骨太で臨場感が凄まじい。
本作でハリー・スタイルズが俳優デビューしてたり、実はトム・ハーディ出てるとかキャストも見どころが多い。
そして、ケネス・ブラナーはなかなか印象的。
この救出作戦は最終的に民間のヨットや漁船なども参加する作戦と化す壮大な救出劇の全貌が明らかに。
8.『杉原千畝 スギハラチウネ』(2015)
1940年7月、リトアニア。
リトアニアで日本領事として6,000人ほどのユダヤ人に対して自らの立場を危うくしてでも大量のビザを発行し、国外逃亡を助ける日本人を描く。
この唐沢寿明がとても良い。身を挺してでも逞しく政治的にも人道的にも正義を貫く姿がとても勇ましい。
日本以外で日本以外のことで戦う日本人がいることを知る。杉原千畝も唐沢寿明も日本人として尊敬します。
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今回は1940年ぐらいまで。この頃はまだまだドイツ軍の勢いが止まらない。
変わらずにユダヤ人のことも描かれている作品もあるが、多くの国に大戦の影が忍び寄っていることがわかる。その中でいよいよ日本人も動き出している。
~Vol.3へ続く~