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私の好きな映画

じょ〜い小川
2024/07/28 14:03

軽妙なスカヨハを楽しむスクリューボール・コメディ『フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン』

■フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン

Ⓒ 2024 Sony Pictures Entertainment (Japan) Inc. All rights reserved.

 〈作品データ〉

1969年の月面着陸を目指すアポロ計画のある噂を元に作られた社会派ドラマ&コメディ映画。主人公のケリーは車や物の宣伝で生計を立てていて、ある日ダイナーでNASAの発射責任者のコールと出会う。これをきっかけにコールが政府関係者のモーに紹介し、ケリーはモーを通してNASAに雇われ、アポロ計画の宣伝PR担当に抜擢されることに。主人公ケリー役をスカーレット・ヨハンソン、コール役をチャニング・テイタムが演じ、他ウディ・ハレルソン、レイ・ロマーノ、ジム・ラッシュ、アンナ・ガルシアが出演。 

・7月19日(金)よりTOHOシネマズ 日比谷他全国ロードショー

・上映時間:132分

・配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント

【スタッフ】

監督:グレッグ・バーランティ/脚本:ローズ・ギルロイ 

【キャスト】

スカーレット・ヨハンソン、チャニング・テイタム、ウディ・ハレルソン、レイ・ロマーノ、ジム・ラッシュ、アンナ・ガルシア

 原題:Fly Me to the Moon/製作国:アメリカ/製作年:2024年

公式HP:https://www.flymetothemoon.jp/


〈『フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン』レビュー〉

2021年に公開した『ブラック・ウィドウ』以来、久しぶりのスカーレット・ヨハンソン主演となる作品で、アポロ計画にまつわる作品なのかというぐらいの気持ちで見た『フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン』。アポロ計画絡みのコメディ映画では前に似たようなタイプの作品でルパート・グリント主演の『ムーン・ウォーカーズ』というのがあったが、あっちよりもデイミアン・チャゼル監督作品『ファースト・マン』を別角度で見て、尚且つ

コメディ要素を強めた形で仕上がっている。

Ⓒ 2024 Sony Pictures Entertainment (Japan) Inc. All rights reserved.

 アポロ計画関係の映画とは言っても宣伝PR担当目線で、それをNASAのアポロ計画関係内でも日陰の部門をスカーレット・ヨハンソンがノリノリで盛り上げていくサマがなんとも面白い。シリアルやミルク製品など宇宙とは無関係そうな商品のCMにアポロ計画を無理矢理使う手法はまるで現代の映画やドラマのコラボ企画を見ているかのようで、その無理矢理感とスカヨハのゴリ押し感がコミカルで、『ヒズ・ガール・フライデー』よろしくなスクリューボール・コメディ風になっている。

Ⓒ 2024 Sony Pictures Entertainment (Japan) Inc. All rights reserved.

黒猫を上手く使い、後半の大事なシーンでも大活躍。世界が注目するあの場面をドタバタコメディに仕上げているのは見事。ソ連に追い越されないように焦る冷戦構造下の空気もあるし、いよいよ本番に向けてはそこそこの緊張感も作れているので、それこそ上記で挙げた『ファースト・マン』と『ムーン・ウォーカーズ』の間を取ったような作品になっている。

 

中盤までは完全にスカヨハの映画だったが、アポロ計画の本番が近づくにつれて存在感が少し薄くなるのは仕方がないが残念。それでもスカヨハやチャニング・テイタム、ちょっと貫禄があるウディ・ハレルソン目当てなら十分なコメディ映画で暇つぶしにはなる。

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