中国「最後の皇帝」の一生
愛新覚羅溥儀
(あいしんかくらふぎ)
という方をご存じでしょうか?
恥ずかしながら、私は映画を観るまで
この漢字6文字が、人名だということすら知りませんでした
今回は、豪華にみえた宮殿の暮らしとは裏腹に、常に孤独と闘い苦しみ続けた中国最後の皇帝、愛新覚羅溥儀の人生を壮大なスケールで美しく描いた歴史超大作「ラストエンペラー」をご紹介します
「ラストエンペラー」
1987年公開 163分(劇場公開版)
※オリジナル版は219分
監督:ベルナルド・ベルトルッチ
脚本:ベルナルド・ベルトルッチ
音楽:坂本龍一、デイヴィッド・バーン、蘇聡
キャスト:ジョン・ローン、ジョアン・チェン
ピーター・オトゥール、坂本龍一
外の世界を知らない
一人の男の子
1908年、一人の幼子が宮殿へ
彼こそが清の第12代目の皇帝、後に「最後の皇帝」として名を刻む事となる愛新覚羅溥儀で
当時わずか2歳
でした
なぜ、こんなにも小さな子どもが皇帝に任命されたのか
理由を調べてみたところ、
このとき、清の時代を事実上牛耳っていた西太后が、右も左もわからない子どもを「おかざり」として皇帝に置き、水面下で自分が指揮をとるためだった
という説が有力なんだそうです(諸説あり)
「あなたはこの国の天子になるのです。」
西太后の指名により、溥儀は、親元から急に離され、豪華で巨大な紫禁城での暮らすことに
彼は、莫大な敷地の中は自由に遊べても、門の外に出る事は一切許されませんでした
親に会いたい時に会えず、友だちもおらず、
彼はだだっ広い土地の上で、常に孤独を感じる日々
そんな中、辛亥革命が起こり溥儀は皇帝を退位
即位からわずか4年後のことでした
皇帝ではなくなったものの、引き続き紫禁城での生活が命じられ、今まで通りの生活を続けることに
いよいよ門の外へ
半ば幽閉状態で、門外の人間との接触がなかった溥儀に転機が訪れます
それは、家庭教師としてイギリスから派遣されたレジナルド・ジョンストンとの出会いでした
彼は、一般常識を知らない溥儀に対し、時間を守る等の礼節や、自転車の乗り方、など、あらゆることにおいての師となり、溥儀が信頼する一人の存在に
そんな中、年頃になった溥儀は、2人の夫人を迎えます
ようやく平穏を手に入れたのも束の間、1924年のクーデターが起き、
皮肉にもずっと出たかった門の外へ出ることになったのです
と、ここまでが、かなりざっくりとした前半のあらすじとなっており、後半に行くにつれて、溥儀が日本との深い関わりを持つ人物だったことがありありと描かれていきます
🐈ここミロポイント🐾
明朝初期の1402年に建てられた本物の紫禁城での撮影シーンは圧巻。
縦にも横にも壮大に広がる巨大な城内で、粛々と執り行われる即位式の迫力は、今思い出しても鳥肌が立つほど感動的。
さらにそこで流れる音楽によって、荘厳な雰囲気がより一層膨れ上がり、観る度心の芯から震えます
ちなみに紫禁城は年間1000万人を超えるほどの観光客が訪れる大人気観光地である中、中国政府の全面協力の元、2週間貸切って撮影されたんだそうです
そして音楽を担当したのは、この曲で日本人として初めてのアカデミー作曲賞を受賞した坂本龍一氏で、役者として映画本編にも出演されてます
婚礼のシーンや、ジョンストン先生とのシーンも好きですが、特に私が大好きのが、
ラストシーン
生まれてからずっと、と言っても過言ではないほどの長い期間、時代に揉まれ、波乱に富む溥儀の一生を、優しく包み込むような演出に
たまらない気持ちになりました
ぜひご覧ください🐈✨✨✨
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投稿を表示門番役でカメオ出演していたのが陳凱歌でしたね。
『 暗殺の森 』『 1900年 」など政治とは人々を呪縛し躍らせる「 お芝居 」だと描いてきたベルトルッチが中国を舞台にした大作。
ラスト・エンペラーはもちろん溥儀ですが、ゴダールと確執があるベルトルッチなので、彼の崇拝する毛沢東こそ最後の皇帝と暗に指し、革命もお芝居なんだよと言ってるように思います。
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