79分のおとなのけんか(Carnage)(2011)
◆はじめに
90分以内の映画というと、そこまで短いとは思えないが、確かに、大半の映画は100-120分の尺のものが多い。今回、90分以内で検索し「おとなのけんか」が出てきたので選んでみた。
◆おとなのけんか(Carnage)(2011)
パリ出身のヤスミナ・レザの舞台劇「大人はかく戦えり」を、ロマン・ポランスキー監督が映画化した、フランス・ドイツ・ポーランド合作作品。
子ども同士のケンカを解決するため2組の夫婦が顔をあわせ、話し合いを始める。最初は理性的に進められていた話し合いも、時間がたつにつれ各々の本性がむきだしになり、やがてそれぞれの夫婦間にも不協和音が生じる。登場人物は4人のみで、室内でリアルタイムに進行する会話劇。ジョディ・フォスターとケイト・ウィンスレットの大女優に、ジョン・C・ライリーとクリストフ・ワルツが夫役を演じる。
Carnageという原題は虐殺という意味であり、仲裁困難なけんかは、そこまでシビアなレベルにまでエスカレートしている。
2011年2月から3月にかけてNYのブルックリンが舞台であるにもかかわらず、パリで撮影が行われたようだが、実際にはポランスキー監督が米国に入国できないという理由もあったらしい。
2018年にも、日本で「大人のけんかが終わるまで」 という演劇が鈴木京香主演で上演されており、作品自体のユニークさがある。


◆所感
どんどんと言葉の暴力は、エスカレートしていくが、密室劇で上演しており変化がないので、やはり80分は妥当なところ。ブラックコメディなので、息抜きに鑑賞するのをお勧めする。ポランスキー監督ものは、重々しくシリアスな作品が多いので、ちょっと他の作品とは趣が異なる。
音楽はアレキサンドル・デスプラが担当しているが、広告動画ではロッシーニの小気味よい「泥棒かささぎ」が流れているので、おそらく使用していたのだと思う。


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投稿を表示この映画、観ています。
登場人物4人とも、オスカー受賞又はノミネート俳優ですね。
クリストフ・バルツの携帯電話のやりとりがしつこいのには閉口しました。
それから、ケイト・ウィンスレットの嘔吐シーンが強烈だったのを覚えています。
身近によくある口喧嘩の中身が、実にリアルだし、相手を罵倒する応酬も妙に心地よかった。
(妙な感想ですが)
ストレス発散に効果的な映画ですね。
それにしても。ポランスキーの監督作品とは意外でした。