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私の好きな映画

Stella
2024/04/05 20:03

3月のコンサートの演奏曲 「ぼくの伯父さんの休暇」から「パリのお天気はどう?」

はじめに

 今年の3月のコンサートの♪サロン・フランセVol.3では、フランスの作曲家のガブリエル・フォーレの没後100年と、100年ぶりのパリオリンピックの2つのテーマに因んだプログラムで、演奏する機会をいただいた。ちゃっかり、第3部ではフランス映画等の楽曲を集めてみた。私も「ぼくの伯父さんの休暇」から選曲した。

筆者が作成

【コメント】

  • 偶然、英国映画の「炎のランナー」が1924年のパリオリンピックが舞台になっていたことを知り、ご紹介した。楽曲は、かなり親しみやすい曲。
  • フォーレの曲はピアノ演奏でお届けしました。「大統領の恋」は一度観たものの、今は鑑賞のすべがない・・。
  • 今年の「枯れ葉」(フィンランド)は、さすがにフランス語では歌われてはいなかった。

■「ぼくの伯父さんの休暇(Les Vacances de Monsieur Hulot)」(1953)

 ジャック・タチ監督(1907-1982)の長編第2作。主人公のユロ氏がフランスの浜辺の高級リゾートに現れ、8月の優雅なバカンス地に大騒動を巻き起こす。ユロ氏を中心にコミカルなエピソードが次から次へと繰り広げられるが、ほとんどでサイレント映画のような視覚的ドタバタに終始している。

 この作品は米国のアカデミー賞オリジナル脚本賞にノミネートされ、また後のヌーヴェルヴァーグの批評家にも大絶賛された。

 この作品以降、のっぽで小さい帽子をかぶり、吸口の長いパイプを咥え、レインコートと寸足らずのズボンを着用した無口な主人公「ユロ氏」のキャラクターを確立させ、以後自作自演で映画に登場することになる。英国のローワン・アトキンソンのインタビューによると、「ミスター・ビーン」のキャラクターにも大いに影響を与えていたとのことである。 

■楽曲のご紹介「パリのお天気はどう?(Quel temps fait-il à Paris ?)」

 映画では歌は入らず、渋い管楽器で演奏される主題歌になり、ジャック・タチの作品集のCDもタワーレコードの売り場の棚におかれていた。後付けで歌詞が付けられ、シャンソンの曲としてうたわれている。

 シャンソンとしては有名な曲ではないのだが、私の大好きなアコーディオン奏者ダニエル・コランのグループのCDに選曲されていて、時々来日している歌手のクレール・エルジエールとギタリストのデュエットの演奏に魅了され、コンサートの曲として選曲した。

 映画の一部と合わせ、YouTubeの動画をご紹介する。シャンソンの方は演奏家のラウル・バルボーザのチャネルから引用した。

  昨年の東京日仏学院の読書クラブで、テーマが”バカンスにちなんだ書籍”だったので、あのジャン=クロード・カリエール「ぼくの伯父さんの休暇」を読んでみた。慣れない読書でも、ボリュームが多くないので読みやすかった。書籍の主人公(私)は、ユロさんではなく、夫妻で滞在していた英国人の老紳士であることがわかった。

筆者が撮影

 ■作品と歌についての感想

 当然、他のタチの代表作品「ぼくの伯父さん」(1958)や「プレイタイム」(1967)は鑑賞はしているが、ストーリーがあり、建築の近代化が見て取れる作品とは趣が異なり、モノクロ作品でもあるので、気負わず鑑賞することができる。

筆者が撮影

 パントマイムのタチ(ユロ氏) は、背が高く、スポーツ万能でもあるが、この作品では、独自のテニスのルールで相手を一方的に負かす姿はユニークで、存在そのものが“不思議”なのだけど、笑えるシーンが多数あった。

 歌の方は“バカンスで出逢った彼はパリにもどり、9月からは寂しいけど、そんなに悲しくないわ。思い出は残り、あなたの青い空は私のもの”と爽やかなイメージの曲。クレモンティーヌのレパートリー曲でもある。

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