【ネタバレ】これは、不気味な“前兆”か!? 伝説のシリーズ最新作の公開前に振り返る~『オーメン』トリロジー①
皆さんこんにちは!
椿ですっ
2024年。
今年も、話題作・期待作に事欠かない映画界ですが、目下、椿がいい意味でも悪い意味でも注目している作品があります。
そ・れ・が、これ
『オーメン ザ・ファースト』
そう、あの伝説のホラー映画『オーメン』シリーズの最新作!
映画を見たことない人でも、『オーメン』というタイトル、「ダミアン」という登場人物、そして「悪魔の数字」「不吉な数字」として定着している「666」は、誰もが認識するワードではないでしょうか
今回は、4月5日に公開される新作を前に、ホラー映画史に燦然と輝く『オーメン』三部作について振り返ってみたいと思います。
【オカルト映画ブーム】
1970年代、アメリカ映画界は空前の「オカルト映画」ブーム。
1968年の『ローズマリーの赤ちゃん』を筆頭に、「悪魔」「悪魔を崇拝する勢力」を描いた作品が雨後の筍のように大量に作られました。
この時代のアメリカは世界の正義を自任し圧倒的戦力を保持していたにもかかわらず、長期にわたる「聖戦」をもってしても勝利することができなかった「ベトナム戦争」の傷を負っていました。巨大国が相手だったわけでもない、ゲリラ組織のような北ベトナムに大苦戦。泥沼化した戦争にアメリカ国内では厭世観が広がり、アメリカという国の訴える「正義」そのものに懐疑の目が向けられるようになりました。
戦争の後半には、アメリカは最悪の悪手である「枯葉剤」を使用した攻撃を行いましたが、それでも勝利することができず戦争から撤退。結局北ベトナムの勝利で終結します。170万人もの戦死者、不明者の犠牲を出し、多額の戦費を費やしたアメリカ。1955年に始まり1975年まで、実に20年間アメリカ社会は、いつ終わるかわからない戦争の、暗澹たる空気感の中にあり、既存の価値観は疑心暗鬼の的に晒されました。「古き良き」アメリカを象徴した、国・政治・家族・宗教といったコミュニティの崩壊とともに台頭してきたアナーキズム、ヒッピーカルチャー、そして大量殺人鬼やカルト教団の勃興を生み出します。エド・ゲインやジョン・ゲイシー、『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』でも描かれた「シャロン・テート殺害事件」での悪魔崇拝者チャールズ・マンソン、集団自殺で大量の犠牲者を出した「人民寺院」事件等、国を震撼させるような事件や事件を引き起こす人物が現れました。
これまで築かれてきたアメリカの、自分達の幸福をもたらした「固定観念」を打ち下す人物や事象が身近に存在するという恐怖感。そしてその恐怖の空気感により増殖する悪とそれに魅了される人々。こういった時代背景により、「恐怖」の存在が、吸血鬼や狼男、あるいは科学の力で生まれた「怪物(モンスター)」から、身近な人間たち(それは隣人どころか、自分の身内かもしれない)による「秩序」「固定観念」の破壊に向けられると、恐怖映画界はその空気を敏感に反映するようになります。
スクリーンに登場する恐ろしい殺人鬼。彼らはおぞましい姿をしている者から、何か変だけど、普通に居そうな人々まで様々な顔を持つ。エド・ゲイン等をモデルにした作品も多いのだけど、『サイコ』『サディスト』『血の祝祭日』『悪魔のいけにえ』などなど、人を殺すことに悦びを感じるような、異常な人間達が映画界に幅を利かせるようになったのはこの時期ですし、息詰まる鬱屈した空気感を背景に誕生したのがモダンゾンビ映画の始祖『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』だったりします。
そしてもう一方、常識的な顔をして近寄って来る「悪魔崇拝者」や「悪魔に魂を売ったもの」たちがスクリーンをにぎわせます。『ローズマリーの赤ちゃん』『悪魔の追跡』『魔鬼雨』『悪魔のワルツ』など、キリスト教や既成概念を信奉していた人々が、自分たちの望みが叶えられないと知るや、より安易で魅惑的な「悪魔崇拝」に走り、自分達の欲望を叶えるために、他人をいけにえに差し出し、悪魔の復活を望む。
このような、「悪魔」「悪魔崇拝者」を描いたホラー映画作品が1960~70年代に『オカルト映画』と呼ばれるようになりました。数多く制作された「オカルト映画」ですが、作品の出来はわりによくて、今見ても見ごたえのある作品が多いものの『ローズマリーの赤ちゃん』は別格として、ほとんどはB級、C級な作品が多かったのも事実です。(余談ですが、悪魔崇拝者を描いた『ローズマリーの赤ちゃん』の監督であるロマン・ポランスキーの妻であったシャロン・テートが悪魔崇拝者マンソンによって殺されてしまうというのはなにか因果なものを感じます。)
「オカルト」とは本来、神秘学や超自然的なもの全般を指す言葉ですが、この当時の「オカルト映画」という呼称は「悪魔」が関わっているものに限られた感じです。
オカルト映画の格をあげた2本
そんなB.C級の作品が多かったオカルト映画界を格上げする、2本の傑作が登場します。それをメジャー映画会社がしっかりと金をかけ、一流のスタッフ、キャストを起用し、練り上げられた脚本で物語を造形した作品となり、ホラー映画界、オカルト映画界の枠を飛び越えて、ハリウッド映画史にその名を刻み込んだ作品。1本は『エクソシスト(1973)』。そしてもう一本が
『オーメン(1976)』
です。
『エクソシスト』はウィリアム・ピーターブラッツィの、実話をもとにした小説が原作で、壮絶な悪魔祓いを描いた作品となっています。悪魔にとり憑かれた少女と、悪魔祓いを行う神父(エクソシスト)との壮絶な戦いを描いた作品で、その恐ろしい特殊メイクと名優たちの演技、そして今では語り草の、ウィリアム・フリードキンによる狂気ほとばしる演出方法で恐ろしいほどの緊迫感をもった作品となり大ヒット。また世界各国で『エクソシスト』を模した作品が多く作られました。「オカルト映画」の決定打と目された本作を超える「オカルト映画」は今後出ない、そう思われていたのですが・・
出てしまったのですよ・・・。
『オーメン』。聖書の「ヨハネ黙示録」に材をとったオリジナル脚本により、悪魔の子対人間の戦いを実にスリリングに娯楽映画に昇華させたのが本作。監督は、後にヒットメーカーとなるリチャード・ドナー。名優グレゴリー・ペックにリー・レミックが共演。『エクソシスト』を放ったワーナーブラザーズに対抗するため、20世紀フォックスが満を持して出してきたのが本作でした。
本作が映画界に残した影響も『エクソシスト』同様、かなり強いものですが、「悪魔憑き」という、マネしやすい題材と違い、悪魔の子供との対決というオリジナリティあふれる作風のため、本作の亜流作品というのはあまり出ていません。
制作年が近いこと。2大メジャーのオカルト作品ということで、よく『エクソシスト』派か?『オー
メン』派か??とホラー映画ファンの中で論争になることがあります。
私はもちろん『オーメン』派です。うっふん。
【オーメン ものがたり(ネタバレ)】
6月6日朝6時。アメリカのローマ大使館に勤務する外交官ロバート・ソーンに待望の子供ができたものの死産。同日同時間に生まれ、出産とともに母親が息を引き取ってしまった別の子供を、病院に勤めるスピレット神父の勧めで、妻キャサリンには内密に養子として迎え、自分の子供として育てる。彼はダミアンと名付けられ、すくすくと育ってゆく。ダミアンを養子にしてから、ソーンは駐英大使に任命され大出世。3人の幸せな生活が続く。
ダミアン5歳の誕生パーティの会場で、乳母が「ダミアン!これはみんなあなたのため!」といって大衆の目の前で首つり自殺。
乳母の自死後、新たな乳母がやって来る。一見誠実そうだが、ダミアンに対しなにか一物抱いているようでもある。
それ以降、ダミアンの周りでは次々と不吉な事が起こり、キャサリンはだんだんと育児ノイローゼのような状態になってしまいダミアンを避けるようになってくる。一方、ロバートは、自身に付きまとい「悪魔の子供を殺せ」と進言する神父に悩まされていた。神父によれば、ダミアンは悪魔の子で、将来絶大なる権力を持つであろうソーンの懐に入り邪魔者を始末。やがて用が無くなればロバートも殺す、という。そして、キャサリンが第二子を身ごもっているがダミアンは絶対にその子を産ませないと断言する。妻が身ごもっていることを知らないロバートは驚くがいたいけな子供を殺せという要求は到底のめない。追い返された神父は落ちてきた避雷針に串刺しになり死亡。
一方のキャサリンも家の2階のバルコニーから転落事故で重傷を負う。神父の警告通り、お腹の子は流産。ロバートは、誕生パーティでの事件以来、彼を追いかけてきたカメラマンのジェニングスを伴い、ダミアンの出自を追うためローマへ。そこでダミアンの恐るべき生誕の秘密を知ることとなる。そして、ダミアンを葬り去る方法を知るため、イスラエルへ飛び、死んだ神父が言っていたブーゲンハーゲンに会う。ブーゲンハーゲンは7本の「メギドの短剣」を差し出し、ダミアン殺害を指示。しかし、いまだ躊躇するロバート。そうこうするうちキャサリンもジェニングスも死亡。意を決したロバートはダミアンを葬り去ろうとするが・・・
【悪魔の数字666】
今では「13日の金曜日」と並んで、不吉な数字として何となく人々の心に刻み込まれている
「666」
もともと、新約聖書の「ヨハネ黙示録」に記載されていた数字でしたが、この数字が「悪魔」の数字だという認識を一般的に広めたのが、本作『オーメン』です。どれだけこの作品が社会にインパクトを与えたか、ご理解いただけると思います。
ついでに言ってしまえばタイトルの『オーメン(Omen)』も意味的には単に「前兆」という意味で、何か恐ろしい不気味な前兆、という意味合いはないのだそうです。しかし、この映画のインパクトが強すぎ、「オーメン」と聞くと、何か不吉なものを感じてしまいます。
この「666」が出てくるのは「ヨハネ黙示録」第13章18節。
「ここに、知恵が必要である。思慮のある者は、獣の数字を解くがよい。その数字とは、人間をさすものである。そして、その数字は六百六十六である。」
というもの。この章には、海からやってきた獣が絶大な力で人々をねじ伏せ拝ませる。それを拝まない者には容赦なく死が与えられる。したがう者には、身体に獣の名、またはそれを示す数字を刻印させた。その刻印が無いものには自由は与えられない。と告げ、その刻み込まれた刻印が「獣を示す数字666」であると言っています。
様々な予言書として、都市伝説のような解釈すらある本章ですが、これを採用して「悪魔対人間」の対決を描く物語を編み出す。何か天からの啓示でもあったのでは(;゚Д゚)?と思わせるほど素晴らしいです。
『オーメン』では、この「666」が悪魔及び、その使徒たちの体に刻印されているという事になっています。ダミアンが悪魔なのかどうか、それは体に刻まれた「666」の数字を見ればわかる。ロバートは、ダミアンには、そんなものは無い、と受け付けませんが、人の目にはつきにくい、ある場所にその刻印があるのでした・・。
『動』な娯楽作
私は『オーメン』と『エクソシスト』の比較を尋ねられた際は、『オーメン』は「動」の映画、『エクソシスト』は「静」の映画だ、と答えています。
『エクソシスト』はその特殊メイクのすさまじさで、下劣な悪魔の行為を臆面もなく描き切るため、見た目、非常にアグレッシヴな作品のように感じられます。逆に、『オーメン』は人が死ぬシーンは工夫が凝らされかなりインパクトの強い場面が多いのですが、血まみれ吐しゃ物まみれになるようなことはない、一種の「品」のようなものまで感じます。
ですが、『エクソシスト』がほぼ少女の部屋の中で起きる出来事なのに対し、『オーメン』はダミアンの生誕の秘密を知るためイギリス、ローマ、イスラエルと国をまたぎ謎解きの旅に出る。そして、その行く先々で恐ろしい目に会う。
周りはダミアンの使徒に囲まれ、ダミアンの秘密を知ったものには恐ろしい運命が待ち受ける。容赦なく襲い来る死の影。ダミアンや使徒たちによる人為的な力ではなく、偶発的ともいえる事故の様相で襲い掛かってくる「死」。ですので傍から見れば、それは単なる事故に過ぎない。でもその死に様が凄まじいのです。特に、『オーメン』と言えばコレ!とも言われる、カメラマン、ジェニングスの死亡シーンは一瞬のことなのにインパクトがかなり強い。当時これを見た人の中にはトラウマシーンとして記憶している方も多いのではないでしょうか。
これら工夫の凝らされた殺害シーンやキャサリンが2階から転落して階の床に叩きつけられるシーンなど、どのように撮影されたんだろう??と、当時の映画人たちがリチャード・ドナーに聞きに詰めかけたそうです。
『悪魔祓い」というワンイシューで魅せた『エクソシスト』に対し、数多くの手数を駆使し、まるで活劇のような要素を盛り込んだ「動」の魅力の本作に映画としての面白さを感じる椿なのであります。
名優と優れた子役
先ほど、本作にはホラー映画らしからぬ、一種の「品」が感じられる、と書きましたが、それは出演する名優たちの芝居によるものは大きいです。ロバートを演じたのは『ローマの休日』のグレゴリー・ペック。長身かつ紳士的な二枚目俳優で1950~60年代にかけハリウッドで大活躍した名優です。『ローマの休日』の大ヒットは、スタッフやオードリー・ヘップバーンに様々にアドバイスをした彼の功績はかなり大きかったとのこと。しかし、そんなスターであったペックも70年代、人気が下火になっていました。そんなときにあった『オーメン』のオファー。得体のしれない恐怖映画への出演に訝しむ向きもあったようですが、ペックは出演を快諾。作品の大ヒットにより、再びペックは大物俳優として注目されるのでした。本作の何とも言えない気品はペックからくるものでもあり、ペックが性格俳優として一躍したのは、本作のおかげであることは公私ともに認めるものでした。
ロバートの妻、キャサリンを演じたのはリー・レミック。非常に聡明な美しさをもつ女優さんで、非常に演技力の高い女優としてアカデミー賞、トニー賞、ゴールデングローブ賞と数多くノミネート。本作での彼女の評価はあまり高いとは言えませんが、彼女の代表作の1本でもあり、彼女の驚愕に怯える表情はこの作品の宣材でクローズアップされるほど象徴的なものでもあります。55歳という若さで亡くなってしまったのが惜しまれます。
そのほか脇を固めるのはビリー・ホワイトロー、デビッド・ワーナー、パトリック・トラウトンといったイギリスの性格俳優が出演。イギリス人らしい品と的確な芝居が、本作の格を高めています。ブーゲンハーゲンを演じた『わが命尽きるとも』『ライアンの娘』の名優レオ・マッカーンも短いシーンですが出演。悪魔の子の排除を語る姿には強い説得力があります。
ダミアンを演じたのはハーヴェイ・スティーブンス。映画出演は本作1本のみ。親も、演じる役柄が悪魔の子の役と知らずにオーディション参加をさせたとか。なんでもオーディション中、監督がこれはと思った子たちを抱きかかえた時、皆、嫌がって泣き出したのを、ハーヴェイくんだけ、監督の顔に殴りかかったのだとか(笑)それで気に入られて採用だったそうです。
ハーヴェィくんの演技は素晴らしく、悪魔の子であることも知らない、あどけない子供そのままに活き活きと演じ、このいたいけな子を殺さなければならないのか、という葛藤を出演者や観客たちに思わせる力があります。
本作でもっともゾッとさせられる、ラスト。ダミアンが後ろを振り向き、ニッコリと笑う場面。屈託のない笑顔に潜む、不気味な恐怖。このシーンは、本作のヒットを見込み、次回作を作ることができるよう、20世紀フォックス社長、アラン・ラッドJr(「スター・ウォーズ」等を世に送り出した才人)の要望によって加えられたものの一つで、今でも語り草になるほどの素晴らしいホラーシーン。
しかし、この微笑み。台本にはなく、当初は笑うことを禁じられていたそうです。ハーヴェィくんに後ろを振り向かせるため、スタッフが「ハーヴェイ君。パパが後ろにいるよ」と声かけ。後ろを振り向くハーヴェィ君。と、後ろには確かにパパが居て、ハーヴェイ君に向かってほほ笑んでいた。ハーヴェィ君はいつものように、パパに向かって微笑み返した。しかし、その微笑みがあまりに素晴らしくて本編に採用となった、のが真相なのです
ハーヴェイ君は役者にならず、イギリスの金融マンになったそうですよ。
音楽の力
本作が、伝説的なホラー映画となったのは、音楽の力にかなり寄っているとも言えます。映画音楽史上、最も怖い映画音楽は?と聞かれたら『オーメン』を挙げる人は少なくないはず。『オーメン』を語る上で音楽は絶対に外せません。
映画音楽にコーラスを導入した例は本作以前にもあったのではないかと思います。しかし、っここまで効果的に使われた例はおそらくありません。『オーメン』以降、映画音楽にコーラスを導入するのはスタンダードになりましたが、それでも、やはり『オーメン』に迫れる曲は無いでしょう。
作曲したのは、ジョン・ウィリアムズと並ぶ映画音楽の巨匠、ジェリー・ゴールドスミス。60、70年代のサスペンスフルにあふれた曲調の作品から80年代以降の、ウィリアムズを意識した作風の曲やポピュラーな曲まで、非常に幅の広い作曲家。『猿の惑星』『エイリアン』『パピヨン』『チャイナタウン』『スタートレック』『ランボー』『グレムリン』『ハムナプトラ』『トワイライトゾーン』等、数多くの映画音楽を作曲。18度アカデミー作曲賞にノミネートされながら、受賞したのは唯一、この『オーメン』なのです。こてこてのホラー映画の音楽が、アカデミー作曲賞を受賞するのもかなり珍しいことだと思いますが、それだけ、効果的かつ印象に強く残った映画音楽だったのでしょう。ゴールドスミスはまだ一般的でなかった頃にシンセサイザーを導入したり、料理用のボウルを楽器として使ったりと、かなり実験的な作曲を試みる人でもありました。ある意味、コーラスの導入もそういうところにあったのかもしれません。
清水ミチコさんのギャグで、滅茶苦茶にピアノを弾きながら「オーメン!オーメン!!」と歌うやつがあるのですが、そのギャグのせいで歌詞が「オーメンオーメン」言っているように勘違いされてしまうのですが
Ave Satani!(アヴェサターニ)、と言っている歌詞です。つまり、サタン賛歌です。歌詞はラテン語です。大まかに訳すとこんな感じだとかっ
Sanguis Bibimus.(われらは血を飲む)
Corpus Edimus.(われらは体を食らう)
Sanguis Bibimus.
Corpus Edimus.
Tolle Corpus Satani!(われらはサタンを讃える)
Ave!
Sanguis Bibimus.
Corpus Edimus.
Tolle Corpus Satani! Ave!
Ave! Ave Versus Christus!(讃えよアンチクリスト)
Ave! Ave Versus Christus!
Ave! Ave Versus Christus!
Ave Satani!(讃えよサタン!)
Sanguis Bibimus.
Corpus Edimus.
Tolle Corpus Satani!
Satani! Satani! Ave! Ave! Satani!
『オーメン組曲』のライブ映像がYoutubeにありますのでアップします。(演奏はスペインの演奏家によるものです)
この曲でアカデミー賞を受賞できたのは、暴力的、バーバリズムに溢れた合唱部分のパートだけでなく、作品の品の高さを盛り上げる、非常に美しいメロディに溢れた楽曲も提供されている点にあります。『オーメン』のもうひとつのメインメロディ。それが「The Piper Dreams」です。非常に美しく印象的な曲。この曲、歌詞がついて歌が歌われているのですが(歌版はサウンドトラックのみ収録され映画ではつかわれていません。)、アルバム作成の際、様々な歌手をオーディションするもめぼしい歌手が見つからず困っていたところ、たまたま楽譜を見て鼻歌で歌っていたゴールドスミスの妻キャロルの歌を聞き「これだ!」ということになり、なんとゴールドスミスの奥さんで収録されました。
素敵な曲なので、それも聞いてみてください(笑)
親子愛か、妄想か・・・
『オーメン』は「親子愛」を感じさせる作品であると同時に、ちょっと別側面から見るとある意味、今の時代に通じる怖さもあります。
監督のリチャード・ドナーが、本作は、単純に、悪魔の子供をどう抹殺するかという話ではない。悪魔の子供ではないかという妄想の世界かもしれない、ような意味合いの言葉を言っています。つまり、本当にダミアンは悪魔だったのか?不運な事故と、悪魔の子供に呪われたのだという、大人の妄想が引き起こした事件であるととらえることもできるのです。そうなると、大人の妄想による幼児虐待という見方もできるわけです。育児ノイローゼで子供を殺めてしまった事件など、枚挙にいとまのない現代社会においては、非常に怖い設定であるかもしれません。
物語は結局不幸な結末に、そしてこれから起こる更なる恐怖を予見するような終わり方をしますが、ダミアンを殺そうとするも「やめてパパ!」と泣き叫ぶダミアンの表情に一瞬躊躇するロバートの表情に本物の親子ではなくても、数年間親子として過ごしてきた日々が去来したのではないかと思うと、一瞬ですがホッとすると同時に涙が禁じ得ません。
こんな名作なのに無料配信が無い!
観たい人はTUTAYA DISCUSで!!
はいっ!オカルト映画史上というか映画史上、伝説的な名作『オーメン』でありますが、いまのところ、無料の配信がありません。是非、TSUTAYA DISCUSでのレンタルをおススメします!
ちなみに2006年にリメイクされていますので、そちらとお間違え無きよう!!
おかしい!!
今回のコラムでオーメントリロジーを語ろうと思ったのに、気が付いてみたら『オーメン』第一作目にしか触れることができませんでした!!
いや、やろうと思えば続けられなくもないのですが・・・。
もう自己満足の世界と、それに皆様をお付き合いさせるわけにも参りませぬ(と、ここまでご覧いただいたという事は、大切なお時間を使わせてしまいましたね・・・。申し訳ありません😿)
あーっ!!オーメン!ソーメン!味噌ラーメン!!!!
そんなわけで、『オーメン』コラム、2回に分けさせていただきます・・。
自分のこのとめどない、映画語りたい欲(その割に中身の薄い・・・)を制御することができず、長くなってしまったうえ、ほか2作を語ることができませんでした・・。
私、『オーメン』も大好きでして、まだまだ語り足りないくらいなのですが、実はもっと好きなのは第二作目の『オーメン2ダミアン』なので、次回に譲りたいと思います。
コメントいただけますと、またいい気になって頑張って書いちゃいますので、皆さんには迷惑かもしれませんが、私はめちゃくちゃ嬉しいです💗
オーメンをご覧になった方の感想とかもお聞きしたいなぁ・・。
そんなわけで尻切れトンボになってしまいました『オーメン』コラム
お付き合いいただきありがとうございましたっ
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投稿を表示今回もボリューミーなコラム(というかもはや歴史&映画の教科書)をありがとうございます!
時代背景や社会背景は映画にダイレクトに影響しているのですね。
ローズマリーの赤ちゃんは、開始30分ほどで止まってしまっています…。
ちゃんと最後まで観ないと!!
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