もしも1日だけなれるなら・・

と考えると、やはり大好きな作品のヒロインが頭に浮かびます。
「勝手にしやがれ」、「気狂いピエロ」。ゴダールの商業映画でありヌーヴェル・ヴァーグの人気作に登場する彼女たち・・！
麗しい姿はもちろん役柄や存在感に憧れますし、
映画自体なにもかもがカッコいいので、その世界にはいってみたいという気持ちが強いかもしれません・・！
また実世界ではなかなか出会えなそうなキケンな恋にも惹かれます笑
ひたすらミーハーな願望ですね・・！
そんなわけで2作品と、登場する女優さんたちをご紹介します。

「勝手にしやがれ」のパトリシア

「勝手にしやがれ」は当時30歳のジャン＝リュック・ゴダールによる長編第1号、1960年の作品です。
モノクロながら、ロケ中心でバリバリ手持ちカメラの映像は臨場感いっぱい✨
ヒロインのパトリシアを演じるのはジーン・セバーグ。
悲しそうな瞳とともに、彼女の美しさを引き立たせているのはなんといってもベリーショートな「セシルカット」ですね・・！
このへアスタイルは「悲しみよこんにちは（1958）」でセバーグが演じた主人公セシルにちなんで名づけられています。
私、ここまで髪を短くしたことはないので、こういうヘアスタイルにも憧れます✨

パトリシアはアメリカからパリへやってきた記者の卵。主人公ミシェル（ジャン＝ポール・ベルモント）とはつい3週間前に知り合った仲です。
実はミシェルは車の窃盗、殺人などを犯し警察に追われています。計画性のないいきあたりばったりの無軌道な犯罪者です。
女性に対してもチャランポランな男ですが、パトリシアには本気の恋をアピールしてます。
パトリシアは、このどこまで信じて良いかわからない男・ミシェルに一応のこと惹かれながらも、どこかキケンな雰囲気を感じ取っているもよう。
駆け引きをするような会話のなかに、彼女の揺れる思いが見え隠れします。
悲劇的なラスト、涙するでもないパトリシアの表情はなんとも言い表しがたく印象的・・！

「気狂いピエロ」のマリアンヌ

「気狂いピエロ」は1965年の作品。「勝手にしやがれ」と同じく主演はジャン＝ポール・ベルモントで、こちらは赤、青、黄色などビビッドなゴダール・カラーをところどころに散りばめたカラー作品です。フィルムの質感なのか全編、ハチミツがかったような黄金色が感じられ、クライムサスペンスなのにどこかまばゆい✨

ヒロインのマリアンヌを演じたのはゴダールの最初の奥さん、アンナ・カリーナです。
1961年の「女は女である」（ベルリン国際映画祭女優賞受賞）から数年間ゴダール作品に出演、ヌーヴェルヴァーグのミューズとして知られます。ふたりは1964年に離婚しているので「気狂いピエロ」は離婚後の作品。結婚を解消しても映画をつくる同志であることに変わりはなく・・✨

監督から信頼され、作品になくてはならない女優であるという強い自信が彼女の全身からみなぎっていてまぶしい✨

マリアンヌは妻子あるフェルディナン（ジャン＝ポール・ベルモント）を惑わし、犯罪の世界へと誘っていくアブナい女。美貌と甘い言葉の裏に冷徹無比の本性を隠しています。
いわゆる悪女なんですが、とにかく可愛いです✨
絶妙に挿入されているミュージカル部分（アンナ・カリーナの歌）もみどころ＆聴きどころかと思います。

2作品とも学生の頃、初めてみた時はカッコよすぎて悶絶でした。
ゴダール自らによる脚本はポエティックなところが多々あり、とても魅力的です（「勝手にしやがれ」の原案はフランソワ・トリュフォー、「気狂いピエロ」はライオネル・ホワイトによる原作ありです）
当時アルチュール・ランボーにもハマっていて、ラストにランボー作品が引用される「気狂いピエロ」には、とくに興奮しきり。
そして何年も経ちましたが、作品や女優さんたちへの憧れは変わることがありません・・！✨