tetsu8
2023/07/12 13:30
ハナ肇の「一発シリーズ」
66年、主演ハナ肇、監督山田洋次のコンビでは「運が良けりゃ」「なつかしい風来坊」の二作が作られている。
「なつかしい風来坊」での共演はメンバーでは犬塚弘と桜井センリ、他に有島一郎、中北千枝子の東宝勢、山口崇、松村達雄、真山知子などである。なおこの作品はブルーリボン賞の主演男優賞(ハナ)、監督賞(山田)を受賞しており、初期の山田作品では最も評価が高いようである。
そんなコンビで次に制作されたのが「一発シリーズ」である。ヒロインは全て倍賞千恵子で、メンバーでは犬塚弘がすべてに出演している。ただシリーズと言ってもタイトルに「一発」と入っているだけで、その内容や登場人物には繋がりは一切ない。
第一弾が「喜劇一発勝負」(67年)である。老舗旅館を舞台にしたコメディで、他の出演者は谷啓、桜井センリ、左とん平、石井均、三井弘次、当時スパイダースの堺正章、井上順、そして東宝から加東大介といった顔ぶれである。
第二弾が「ハナ肇の一発大冒険」(68年)である。タイトルに「ハナ肇」が入っているのは他のハナ主演作含めて本作のみである。渡辺プロも制作としてクレジットされている。倍賞美津子も出演しており、千恵子との姉妹共演が見られる(一緒のシーンがあるかどうかは未見なので不明だが)。他の出演者は桜井センリ、なべおさみ、入川保則、中村晃子などである。
第三弾が「喜劇一発大必勝」(69年)である、これは藤原審爾の「三文大将」が原作となっている。ストーリー上ではハナよりも谷啓が主役という感じになっている。他の出演者が佐山俊二、佐藤蛾次郎、蘆屋小雁などである。
この後、山田洋次はご存知の通り渥美清主演の「男はつらいよ」シリーズを撮ることになり、山田のハナを主演とした作品はこの「一発大必勝」が最後となっている。
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