絵画の様な、のどかな風景　「田舎の日曜日(Un Dimanche a la Campagne)」

■「田舎の日曜日(Un Dimanche a la Campagne)」(1984)と主演女優

　ベルトラン・タヴェルニエ監督、主演はルイ・デュクルー ,サビーヌ・アゼマ, ミシェル・オーモン等の作品。サビーヌ・アゼマは、この作品で「セザール賞」の最優秀女優賞を受賞した。その後は、先立たれた夫のアラン・レネ監督作品出演の常連の女優として活躍している。

■ストーリー

　晩年の、穏やかな気質のルノワールを思わせる様な老画家ラドミラルが、自然豊かなパリ郊外に家政婦と共に暮らしている。時は1912年頃の初秋の日曜日。いつもの様にパリから息子夫婦が三人の孫を連れてやって来る。広い庭で遊ぶ子供らの声を聞き、老人は満足げだ。そこへ不意に、自慢の娘イレーヌが立ち寄る。恋多き彼女のもたらす空気に息子夫婦はやや馴染めずに居るが、老人にとっては彼女の精気に触れるのは何より気持ちの若返る・・・・。

■ガブリエル・フォーレの音楽を使用

　随分前に鑑賞した作品だったが、TSUTAYAのDISCASサイトで、ガブリエル・フォーレの音楽が使用される貴重な作品であることをしり、改めて鑑賞してみた。同じ時代を生きたフォーレの晩年のピアノ五重奏曲、ピアノ三重奏曲、そして弦楽四重奏曲の一部が使用されている。ピアノ五重奏曲は、華やかで作品全体で取り上げられているが、息子家族を駅迄見送って帰る画家の寂しげな様子は、弦楽四重奏曲が寄り添い、人生の後半であることを印象付ける。