『オッペンハイマー』以前にマンハッタン計画を描いた映画
シリーズ 映画『オッペンハイマー』の日本公開を待ちながら その6
【※ネタバレあり】
『シャドー・メーカーズ』
原題 Fat Man And Little Boy は広島と長崎に投下された原爆のコードネーム。
アメリカの原爆開発を描く作品。
ポール・ニューマンがレズリー・グローブスを演じ、ジャケ写で大きく使われることから、彼が主人公なのかと思ったが、中心的な役ではあるけれども、ドワイト・シュルツが演じるオッペンハイマーら他の人物も描き、マンハッタン計画をめぐり複数の人間関係が描かれる。
ロキュータス名義での作品レビューはこちら。
レズリー・グローブス( 1896~1970 )は陸軍軍人で、工兵科に属し、そ
五角形の形からペンタゴンと呼ばれる米国防総省庁舎建設の実務責任者だった。
マンハッタン計画ではオッペンハイマーが原爆開発の科学者チームリーダーだったのに対し、レズリー・グローブスは開発から投下までに携わった軍の実務責任者。
『 オッペンハイマー 』ではマット・デイモンが演じます。
監督は『 キリング・フィールド 』『 ミッション 』のローランド・ジョフィ。
脚本はローランド・ジョフィと『 キリング・フィールド 』などのブルース・ロビンソン。
他のキャストはジョン・キューザック、ローラ・ダーン、ボニー・べデリア、 ナターシャ・リチャードソン、ジョン・C・マッギンリー、エド・ローター。
1989年作品。日本では劇場未公開。 1992年ようやくビデオ・リリース。
本作はベルリン国際映画祭に出品されたが、批評では高評価を得られず、興行成績も芳しくなかった。
そうした評価なのは、レビューにも書きましたようにわかる部分もありますが、それにしてもこの監督・キャストで日本で劇場未公開とは。 結果作品認知度も低い。
本作は原爆がどのように開発され使われたかを考え語ることができる題材でしょうに、原爆アレルギーというよりかは、もはやタブーに近いのだろうか。
こうした関心の薄さは自ら風化を助長していると言えるかもしれない。