真顔で観れるゴシックホラー「ドラキュラ1992」
ブラムストーカー原作の「ドラキュラ」をご存知だろうか。
そう、かの有名な無類の美女好きの吸血鬼ジジイのことである。
ユニバーサルスタジオが1931年に「魔人ドラキュラ」として初めて映像化し、その後ドラキュラは愛すべきモンスターとして幾度となく映像化された。
今回は中でも1992年に衣装デザインなどでアカデミー賞を受賞したキアヌリーブス主演の「ドラキュラ」について語ろう。
https://movie-tsutaya.tsite.jp/netdvd/dvd/goodsDetail.do?titleID=1087059864
中学2年の時に学校の図書館で観てビビり倒し夜お風呂に入れなくなったくらい怖かったあの作品、そういえばもう一度観てみようかねと再生。
あらすじはこうである。
15世紀、戦で最愛の王妃エリザベータを亡くしたワラキアの王ドラキュラ。4世紀後、トランシルヴァニア地方のある城にやって来た青年弁護士ジョナサンは、城主ドラキュラ伯爵に命を狙われ、九死に一生を得る。そしてロンドンでは、ドラキュラが亡き妻と瓜二つのミナを我がものにしようと画策していた。ジョナサンの婚約者であるものの、ドラキュラの深い愛に揺れるミナ。だがやがて、吸血鬼狩りが組織され、ドラキュラは追い詰められていく。
いやツッコミどころ多いなっ!
タイトルコールまでは素晴らしいおどろおどろしい雰囲気と音楽が合わさりワクワク。
問題はその後だ。
まずドラキュラの魔力が支離滅裂。
ミナの幼馴染ルーシーがドラキュラに狙われるのだが、遥か遠くのトランシルバニアからロンドンにいるルーシーに狙いを定め呪うことができるのに、ロンドンに本体が来てからはめちゃくちゃ体力消耗気味。
どんな生き物にも変幻できるといいながら狼かコウモリしかレパートリーが無い。
次に女癖である。
大変悪い。
しかし見た目が完全にヒヒジジイ。ヒヒジジイというかもはやヒヒ。
マウントヒヒに覆い被さられ「いらして〜」とか言いながらヒヒの血を吸う姿にはドン引きである。
ドラキュラが来たことを告げる合図がルーシーの胸をブァサっとはだけさせるのもおかしい。
ドラキュラはなにか?エロスの象徴かなにかか?
ミナもドラキュラ大好きなのだ。
いくら呪いをかけられているからとはいえあんなに大好きになるだろうか。
なんなら致すし。
致した上にドラキュラに命を捧げているミナを見ても婚約者のジョナサンは微動だにしない。だってキアヌさまだからね。ここはドーンと男としての懐の深さを…ておい。少しは悩めや。
ドラキュラの映画からは性に対するタブー視のメッセージ性が透けて見える。
悪に唆され性に奔放になった女は悪魔になる。性に対して興味を持つと忌まわしき怪物になる、というのがしつこいくらいにアピールされている。
ちょっとうざい
そしてジプシーという居住地を持たない者たちも悪の手先として扱われなんかそれは違くね?と思わせる。
最後に関しては尚酷く、やっつけ感がすごい。
あんなに死人を出して散々戦った挙句がそれか!?と驚かされた。
そもそも「ドラキュラ」は1431ねんに生まれたワラキア王国のヴラド3世をモデルにしてる。
キリスト教国であるヨーロッパとオスマン帝国の間に位置したその国は自らの地位を誇示するために別名串刺し公と言う名を轟かせた人物だったが、19世紀になると皮肉好きなイギリス人に発見され「雪国で呪われた悪魔が人の血吸って生きてんのオモロくね?」と作り出したモンスターであり、色んな方面にちょっと失礼なわけである。それを脚色せずそのまま放映した映画会社に乾杯。
しかしさすがはアカデミー賞衣装デザイン賞である。石岡瑛子氏の豪華絢爛な衣装の数々は圧倒された。
百聞は一見にしかず、ぜひご覧あれ
始終真顔で観れること間違いなし。
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投稿を表示シモ坊です。
コッポラの「ドラキュラ」ですよね。
公開当時、画がカッコ良さそうで
観たかったのですが、そんな映画なんですか。
逆に、そそります。