8/9 公開「ボレロ 永遠の旋律(Bolero) 」
■「ボレロ 永遠の旋律(Bolero) 」(2023)
フランスの作曲家モーリス・ラヴェルによる不朽の名曲「ボレロ」の誕生秘話を描いた音楽映画。
「ココ・アヴァン・シャネル(Coco Avant Chanel)」(2009)のアンヌ・フォンテーヌが監督をつとめる。ラヴェル役でラファエル・ペルソナスが主演を、ラヴェルの生涯にわたるミューズとなったミシアをドリア・ティリエ、ダンサーのイダをジャンヌ・バリバールが演じる。
ブリュッセル・フィルハーモニー管弦楽団の演奏による「ボレロ」に加え、ヨーロッパを代表するピアニストのアレクサンドル・タローがラヴェルの名曲の数々を演奏する。
■主なテーマ
1928年パリ。スランプに苦しむモーリス・ラヴェル(1875-1937)は、ダンサーのイダ・ルビンシュタインからバレエの音楽を依頼される。彼は失ったひらめきを追い求めるかのように自身の過去に思いを馳せながら、試行錯誤の日々を経てついに傑作「ボレロ」を完成させる。しかし自身のすべてを注ぎ込んで作り上げたこの曲に、彼の人生は侵食されていく。
■関連作品
●「愛と哀しみのボレロ(Les uns et les autres)」(1981):クロード・ルルーシュ監督
ジョルジュ・ドンにより、ラヴェル作曲の“ボレロ”に合わせて力強い舞踏が、後半の盛り上がりで披露される。
●「愛、アムール(Amour)」(2012) : ミヒャエル・ハネケ監督
ピアノの教師だったアンヌ(エマニュエル・リヴァ)の教え子役として、アレクサンドル・タローが本人役(立派になった教え子)で出演しており、劇中ではシューベルトの曲を披露している。
■一番好きなフランスの音楽家
モーリス・ラヴェルは、オーケストレーションの天才、管弦楽の魔術師と言われる、卓越した管弦楽法とスイスの時計職人と評された精緻な書法が特徴である。ボレロは、単一の主題をオーケストレーションを変更しながら何度も繰り返す着想を披露している。ラヴェルに関しては、楽曲全般で、その洗練された音楽性に魅了される。
フランスの音楽家では、フランシス・プーランクと並び、一番好きな音楽家で、とくに「亡き王女のためのパヴァーヌ」がお気に入りではあるが、声楽として歌うのは難しいので、平原綾香の日本語歌詞でうたうことにしている。