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私の好きな映画

Stella
2024/02/27 18:35

昨年の音楽映画 「ふたりのマエストロ/Maestro(s)」

昨年の音楽映画「ふたりのマエストロ/Maestro(s)」

 2011年のカンヌ国際映画祭で脚本賞に輝いたイスラエル映画「フットノート」をリメイクしたヒューマン・ドラマ。同じ指揮者の道を歩み、それぞれに葛藤を抱える父子を主人公に、あるトラブルをきっかけに、互いに本音で向き合うことになる愛憎の行方を描く。「ぼくの妻はシャルロット・ゲンズブール」(2001)のイバン・アタルが息子ドニ、「巴里の恋愛協奏曲」(2003)のピエール・アルディティが父フランソワを演じ、「読書する女」(1988)のミュウ=ミュウが共演。俳優としても活動するブリュノ・シッシュが監督を務めた。

 父・フランソワ・デュマールとその息子・ドニは、ともにクラシック界で活躍する指揮者の親子。40年以上の輝かしいキャリアを誇る大ベテランの父に対し、息子のドニは大きな賞を受賞するなど勢いに乗っていた。そんなある日、フランソワは一本の電話を受ける。それは世界最高峰の“ミラノ・スカラ座”からの音楽監督就任の依頼だった。フランソワは歓喜に酔いしれるが・・。ところが翌日、ドニはスカラ座から呼び出され、息子宛の依頼を誤って父にしてしまったと告げられる。スカラ座の音楽監督という重責に戸惑いつつ、何よりも浮足立つ父に真実を告げるという難題を背負わされ、人生最大の試練に頭を抱えるドニだったが…。

(c)2022 VENDOME FILMS - ORANGE STUDIO - APOLLO FILMS
(c)2022 VENDOME FILMS - ORANGE STUDIO - APOLLO FILMS
(c)2022 VENDOME FILMS - ORANGE STUDIO - APOLLO FILMS

この映画の感想

 クラシック音楽を鑑賞し始めた2011年頃は、フランスのみならず関連の音楽映画を優先して鑑賞していたが、最近では「マチネの終わりに」(2019)や、前回投稿した「マエストロ:その音楽と愛と」(2023)等を観た程度。本作は、昨年8月公開で見逃したので観たい作品のひとつであった。
 著名な指揮者の親子という設定からセレブ感が漂い、息子が真実を告げるという難題といっても、最後に間違えた秘書が”私のお蔭で(親子共演)できたでしょ・・“となると、視聴者は蚊帳の外で、あまり共感できなかった。
 シャルロット・ゲンズブールの私生活のパートナーでもあるイバン・アタルはイスラエル人の監督や俳優だが、主演の作品は久しぶりの様。父役のピエール・アルディティはアラン・レネ監督作品では常連でお馴染みのキャストの一人で、アンドレ・デュソリエ等と同様で現役で活躍している
 楽曲の引用でいえば、2月6日に逝去された小澤征爾監督が、この映画の2つ目の舞台となるミラノのスカラ座でオペラ上演の指揮棒を振っているテレビ映像が流れ、やはり世界的な音楽家と認められていることが理解でき感激した。曲は三大アヴェ・マリアの一つ「カッチーニのアヴェ・マリア」が演奏されていた。
 音楽の映画なので、ドボルザーク、モーツアルト等の楽曲が登場したが、エンドロールで「シューベルトのセレナーデ」が使用されている。「幻滅」(2023)でも使用されていて、びっくり!。
 

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