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私の好きな映画

cine-ma
2023/06/15 11:28

2023年に観た映画(15) 「茶飲友達」

№15
日付:2023/4/15
タイトル:茶飲友達
監督・脚本:外山文治
劇場名:あつぎのえいがかん kiki スクリーン1
パンフレット:あり(¥1,000)
評価:5.5

 

ある女性が始めた高齢者向けの会員制サービス。新聞の三行広告という地味な手法にもかかわらず会員数は着実に増え、“茶飲友達”の輪が徐々に広がる。
主人公佐々木マナ(岡本玲)を始めとする運営者側のバックヤードにも触れつつ、このサービスの功罪を観客に問いかけながら進む物語。当然訪れる破綻までの時限装置に絡む人間模様は、外山監督の映画作りの地力を感じさせます。
残念なのが、佐々木マナに次いで重要な役割を与えられた"Tea-Girls"の1人、松子(磯西真喜)の突然の変心。予兆の描写もありはしますが、唐突感が拭えませんでした。

監督は実際に起こった10年前の事件をモチーフにこの作品を温めてきたそうです。サービスを提供する側にも利用する側にも共通するのが孤独。なのですが、マナが築いた新たなファミリーの絆が崩れ去った後に外山監督が用意したマナと警察の問答も母の言葉もどこか空々しい。そもそもこの作品において高齢者たちが本当に欲しかったのは、文字通りの茶飲友達だった筈。高齢者の孤独と寂しさを同年代の風俗嬢が埋めるという、心の結びつきではなく単なる性処理のお相手としか描けていない結果、少々彼らを馬鹿にしているようにすら思えてしまった。

 

パンフレット(¥1,000)

<CONTENTS>
・ぜんぶ、顔にあらわれている。 外山文治監督
・キャスト・プロフィール + あなたにとって「家族とは?」
・ぬくもりの在処を追い求めて ミヤザキタケル(映画アドバイザー)
・特別対談 岡本玲 × 外山文治
・コメント集
・クレジット
パンフレットとして売られていましたが、よく見ると"official photo & book"とある。実際中身は写真と出演者のプロフィールと、監督と岡本玲さんの対談くらい。でもって千円!

 

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