Stella
2024/04/01 23:12
フランス宮廷のバロック音楽!②音楽「めぐり逢う朝(Tous Les Matins Du Monde) 」
■「めぐり逢う朝(Tous Les Matins Du Monde) 」(1991)
17世紀の音楽家マラン・マレ(ヴィオル)と、その師サント・コロンブの葛藤と愛を描いた人間ドラマ。全篇に二人の代表曲が流れ、また撮影は、当時と同じ光源を使って行われた。91年ルイ・デリュック賞、92年セザール賞主要7部門(作品、監督、助演女優、撮影、音楽、録音、衣装デザイン)を受賞。監督・脚本は「インド夜想曲」のアラン・コルノー。共同脚本・原作はパスカル・キニャール。音楽は同作のジョルディ・サヴァールが担当。主演は、マレをジェラール・ドパルデュー、コロンブをジャン=ピエール・マリエル、長女のマドレーヌはアンヌ・ブロシェ。なおマレの青年時代を、ドパルデューの息子ギョームが演じている。
■主要なシーン(パンフレットから)
■感想・エピソード
実話とは多少異なる様だが、宮廷で出世したマラン・マレとは、恋愛関係にありながらも結ばれなかった、コロンブの長女マドレーヌのために作った「夢見る人」を演奏するシーンは、切なく、でもロマンティックすぎる曲である。
この映画は、音楽・原作(ストーリ)・映像の美しさがミックスされた極上の作品である。ドパルデュー親子がマレを演じるのも素敵だったが、「ランジェ公爵夫人」(2007) のギヨーム(1971-2008)の方は若くして亡くなったので、この作品は貴重。
原作者のパスカル・キニャールも気鋭の作家で、ヴィオル奏者のジョルディ・サヴァールも人気演奏家で、来日コンサートではチケットが直ぐ完売する程の大人気の音楽家と聴く。
メインのアラン・コルノー監督は、全般、「セリ・ノワール」(1979)の様な犯罪系の作品が多く、ややとっつきにくいが、ジャン=ユーグ・アングラード主演の「インド夜想曲」はシューベルトの曲が使用されていて、神秘的な印象がある。
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