2025年に観た映画(25) 「We Live in Time この時を生きて」
「ブルックリン」を観逃がしたのを後悔した事を今も覚えていて、本作がこの監督の作品だと知って今回は劇場に足を運びました。



とある男女が出逢ってからの愛の軌跡を、時間軸を前後させながら描いた本作。世に履いて捨てるほど存在する恋愛映画の中でも、最もベタで陳腐なテーマを選択していながら、決してお涙頂戴ではない素敵な人生の“賛歌”に仕上げるジョン・クローリー監督の手腕に感服しました。2人で歩んだ人生の一幕一幕が、素敵なアルバムとしてパラパラとめくられているかのようです。
先ずは2人の出会いのシーンにやられました。何といってもアルムート役のフローレンス・ピューが、控えめに言って最高。「ブラックウィドウ」のエレーナに、「ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語」の四女エイミーですって?物覚えの悪い私は彼女の出演作を振り返って改めてその存在感に納得。あー「サンダーボルツ*」も彼女目当てに観に行っておけばよかったと後悔。
公式HPに「観る悦び(A joy to watch)」という一言がガーディアン紙のレビューとして紹介されていましたが、激しく賛同です。確かにフローレンス・ピューは素晴らしいのですが、彼女だけでなく夫役のアンドリュー・ガーフィールドもコミ(commis)・シェフとして彼女を支えるリー・ブレイスウェイトも皆存在感を発揮している。この監督が役者遣いの名手であるのは間違いない。ストーリーではなく1つ1つのシークエンスに魅了される映画は、1冊の本を一気に読み終えた先の充足感にも似た“読後感”を与えてくれるのでした。
№25
日付:2025/6/14
タイトル:We Live in Time この時を生きて | WE LIVE IN TIME
監督:John Crowley
劇場名:TOHOシネマズ小田原 SCREEN8
パンフレット:あり(¥990)
評価:6






<CONTENTS>
・イントロダクション/ストーリー
・インタビュー アンドリュー・ガーフィールド
・インタビュー フローレンス・ピュー
・プロフィール アンドリュー・ガーフィールド/フローレンス・ピュー
・インタビュージョン・クローリー監督
・インタビュー ニック・ペイン(脚本)
・レビュー#1 SYO(物書き)
・スナップショット
・二人で辿った“私たちの時間”たち
・プロダクション ノート
・スタッフ プロフィール
・レビュー#2 山崎まどか(コラムニスト)
・レビュー#3 美村里江(女優・エッセイスト)
・クレジット
