村松健太郎
2024/02/07 12:13
ただただ、隣にそっといてくれる人の大切さを描く『夜明けのすべて』
今時、大なり小なり”ナニカ”を抱えていない人などいないと思います。本作の二人はPMSとパニック障害、それゆえに仕事に生活に支障が出てしまっています。
この映画ではそんな人を励ますとか、背中を押すとかいうほど積極的な立場ではなく、だからと言って過剰に悲劇的に描くわけでもなく、ただただ、隣にそっと静かに立っていてくれる”ちょうど良い居心地”の映画となっています。
松村北斗と上白石萌音という朝ドラ「カムカムエヴリバディ」コンビが今回は互いに抱えているものに、特段何かをするわけではないけれど、そっと寄り添い合う、ある種の仲間を好演しています。
「そしてバトンが渡された」の瀬尾まいこの原作小説を『ケイコ目を澄ませて』の三宅唱監督が熱くなるわけでもなく、ウェットにし過ぎるわけでもない絶妙な空気感を醸し出しています。
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