Discover us

私の好きな映画

Stella
2024/04/01 22:57

フランス宮廷のバロック音楽!①舞踏・劇 「王は踊る(Le Roi Danse)」

■王は踊る(Le Roi Danse)」(2000)

 “太陽王”ルイ14世と彼のために3,000曲もの音楽をつくり上げたジャン=バティスト・リュリ(音楽家/舞踏家)の秘められた苦悩と禁断の愛の物語を「カストラート」(1994)のジェラール・コルビ監督が豪華にして耽美そしてサスペンスフルに描いた音楽劇。5歳で国王となったルイ14世だったが、14歳になった今も政治の実権は母が握り、ルイは音楽とダンスに情熱を傾けていた。そんなルイはリュリの創り出す音楽に魅せられ、一方リュリも聡明で美しいルイに特別な感情を抱き始めるのだった。

 キャストは、ルイ14世、リュリ、そしてモリエール役で、ブノワ・マジメル、ボリス・テラル 、チェッキー・カリョが出演している。

サントラCDジャケットを筆者が撮影

 ■見どころ

 本作品は、製作から20年前に解読された、ルイ14世の「舞踏譜」に着想を得て劇中でも当時のバレエを踊る様子が復元されている。また、音楽もバロックと古楽が、当時の楽器(例、バロックバイオリン、ポシェット・バイオリン、フラウト・トラヴェルソ、ナチュラルホルン、ナチュラルトランペットなど)を使用した演奏形式で録音されたものが使用されている。

 劇中、リュリがルイ14世の病気快癒を祝して「テ・デウム」を指揮するシーンがある。実際のリュリは当時の長くて重い指揮棒で足を打ち、感染症で死去しているが、そのシーンも再現されている。

 

 ■ひとこと(助演役の他作品ではしご鑑賞)

 数年前からバロック・ダンスを知り、昨年から少しづつ勉強しはじめたところなので、フランスのダンスと音楽に興味をもつきっかけとなる作品である。作品自体は、タイトルと異なりイタリア人のリュリが主役のストーリーになる。喜劇作家のモリエールの最後のコメディ=バレエ『町人貴族』の初演がされルイ14世は興味を持っていたという。

 全般ある程度の専門知識が必要ではあるが、サントラCDを聴いて楽しむことができる。

 俳優のブノワ・マジメル氏は、現在では中堅だが、当時はジュリエット・ビノシュとパートナーで、私生活も含め、輝く存在だったことと思う。

 モリエール役のチェッキー・カリョは多数の作品に出演していて、「世界にひとつの金メダル(Jappeloup)」(2013)で気になったので確認したところ、リュック・ベッソンの「ニキータ」(1990)で政府工作員の教官を好演している様なので、再度鑑賞してみたくなった。

パンフレットを筆者が撮影

 

コメントする