サクラと「白夜(Quatre Nuits d’un Reveur)」(1971)
◆はじめに
3/7の公開を待ち、ロベール・ブレッソンの本作を、先週8日に鑑賞にいった。
めずらしく、コンパクトで使いやすいポスターも販売されていたので、早速購入。ちょうど、ユニクロで買った桜も、既に早めに開花したので、嬉しくなり、ポスターと一緒に撮影した。
◆概要
画家の卵であるジャックはある夜、セーヌに身投げしようとする少女マルトを助ける。彼女には一年前アメリカ留学に発った恋人がおり、二人が再会を約束したのがその晩だった。青年は苦悶に沈む彼女を美しいと思った。そして、激しい愛の衝動につき動かされながら、努めて平静を装い、彼女の心が恋人から離れるのを望み、そこに罪悪感を覚える。'57年版と同じく、ロベール・ブレッソンが、ドストエフスキーの悲恋小説を現代と場所をパリの舞台に翻案した。
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◆所感
ロベール・ブレッソンの作品は、「スリ」、「抵抗」等、テーマも重々しく、あまり楽しいとか明るい印象ではなく、ロマンティックな作品ながら、感情表現が抑えられた作品になっている。画家の青年は「マルト、マルト、マルト」と呼び続け、好きである感情が別の手段で描かれていたりする。また、バトームッシュで演奏されるラテン系ボサノバ風の音楽も、当時の流行の曲のトレンドがわかる。
場所はパリのポンヌフ橋あたりで、当時の古いパリの佇まい等がでてきて、多くの美しい情景には魅了された。タイトルが、”ある夢想家の四夜”というのも、詩情がある。
1957年の「白夜」の方は、マルチェロ・マストロヤンニとマリア・シェルの快活で明るい表情での演技も素晴らしく、とても素敵な作品なので、また機会があれば観てみたい。やはりヴィスコンティ、好きすぎる。
◆参考作品:「白夜 (Le Notti Bianche)」(1957)
ルキノ・ヴィスコンティの名作、マルチェロ・マストロヤンニ 、マリア・シェル 、ジャン・マレーの出演。原作のサント・ペテルブルグではなく、イタリアの港町が舞台となった。

◆関連の投稿
1/25 公開のマン・レイの短編集 / 3/7 ロベール・ブレッソンの「白夜」