cine-ma
2024/07/25 08:27
2024年に観た映画(29) 「ルックバック」
幼少の頃からジャンプっ子の私ですが、昔も今も“紙”世代。(Web上の)ジャンプ+のみで掲載される作品にはまるでご縁がない。
なので本作も原作の存在を全く知りませんでした。藤本タツキ先生の作品と知って、これは原作→本作の順でないと絶対にマズいと思い、先ずは原作を通読。
ひとしきり涙してから、思いました。
この極めて作家性の高い、漫画という表現手段がその存在意義を遺憾なく発揮している本作を、アニメーションに変換する意味と難しさを。
いやはや、恐れ入りました。押山清高監督のプロフィールを見ると、演出よりもデザインや原画担当としてかかわった作品の方が多い(「君たちはどう生きるか」にも原画担当として参加)。
原作のひとコマに加えられた精緻な情報量、原作のコマとコマの間を紡ぐ時間の流れを想像以上に新鮮な映像で埋めるその手腕。非常に重要なアイテムであり、本作の魅力がここに集約されていると言ってもよい秀逸なる四コマ漫画の数々も、愛情感じる劇中劇として再現。
原作では少々判り難い終盤のエピソードも優しく紐解いてくれていて、その“翻訳”の見事さに拍手を送りたくなりました。
漫画とアニメのシアワセな関係が、本作においても成立していました。この愛すべき小作品に出逢えた喜びをしみじみ感じる1冊と1本でした。
№29
日付:2024/7/20
タイトル:ルックバック
監督・脚本:押山清高
劇場名:TOHOシネマズ小田原 SCREEN7
パンフレット:あり(¥1,500)
評価:8
<CONTENTS>
・ストーリー
・キャラクター
・アートボード
・特別対談 押山清高×藤本タツキ
・インタビュー 河合優実
・インタビュー 吉田美月喜
・メインスタッフ コメント
・クレジット
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