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私の好きな映画

cine-ma
2023/08/11 15:42

2023年に観た映画(29)&(30)

直近で観た、漫画が原作の実写版2作。
いずれも原作が好きでなきゃ観に行かない作品達。原作と比べもするし、映画として評価もする。
それもまた楽しからずや。


(c)オジロマコト・小学館/映画「君ソム」製作委員会

№29
日付:2023/7/29
タイトル:君は放課後インソムニア
監督・共同脚本:池田千尋
劇場名:あつぎのえいがかん kiki スクリーン2
パンフレット:あり(¥880)
評価:5.5

コロナ禍を境に週刊漫画誌の購読を一つ、また一つと終了し、今では少年ジャンプだけになってしまった。私が購読中の頃はそこまで盛り上がってはいなかった「東京リベンジャーズ」や「ブルーロック」が実写化やアニメ化で人気に拍車が掛かっているのに驚きながらも、鑑賞意欲は湧かず。
そんな中、本作の予告編を観て、主役の2人がオジロマコトさんの原作に瓜二つなのにビックリ!。運よくこのタイミングで上映してくれていたkikiさんに足を運びました。

私が読んでいた頃のエピソードが描かれてる本作。ほぼほぼ原作通りの展開で、こういう場合は監督の足し算と引き算が問われる事になる。本作の場合、良い悪いは別にして余計な事はせず、引いたのも猫の登場シーンくらいで、結果として無難な仕上がりな一方、実写化が新たなオリジナリティを生んでいる感じはしませんでした。

私は中盤以降、最後まで涙がポロポロ止まらなくなってしまった。涙腺がユルむ≒良作というわけではなく、少なくともオジロさんの原作ではそういう事は無くて、色々抱える若いコ達の軽妙なる葛藤劇がラブコメディなタッチで描かれているところに胸キュンが止まらないのだけれど、この実写版では涙の先に残るものが見当たりません。

中見丸太を演じた奥平大兼君のキャラクターは、原作と微妙に異なる台詞回しも災いして共感度数や魅力が減少。曲伊咲役の森七菜ちゃんはさすがの一言。正直彼女の魅力と演技力で作品が保たれている。仲良しの同級生含め、見た感じの3次元化は見事なのですが、原作におんぶに抱っこの実写化で終わってしまった感じです。

(c)オジロマコト・小学館/映画「君ソム」製作委員会
(c)オジロマコト・小学館/映画「君ソム」製作委員会
(c)オジロマコト・小学館/映画「君ソム」製作委員会

 

パンフレット(¥880)

<CONTENTS>
・イントロダクション
・ストーリー
・キャスト
・インタビュー 森七菜&奥平大兼
・監督プロフィール&インタビュー
・ロケ地マップ
・プロダクション・ノート
・星空観望会ポスター
・原作
・テーマソング
・スタッフ


(c)原泰久/集英社 (c)2023映画「キングダム」製作委員会

№30
日付:2023/8/6
タイトル:キングダム 運命の炎
監督:佐藤信介
劇場名:シネプレックス平塚 screen8
パンフレット:あり(¥880)
評価:5.5

自分調べでは、邦画において原作漫画の実写化にある程度成功した最初の事例は「キューティーハニー」(2004年)だと思っているのですが、漫画の世界を実写に変換する術(≒デジタル技術)を得た結果、それ以降数々の漫画の世界のキャラクター達が、原作と極めて高い親和性をもって実写版に降臨する事となった。

原作漫画のダイナミズムを動画の世界で如何に再現するか、その再現クオリティの高さがそのまま作品の成否に直結している昨今、本作も善戦しているグループにいるのは間違いない。
巨人族かと見紛うばかりの将軍達のサイズ感や、剣の一振りで半径10メートルの敵兵がぶった切られてしまうという、漫画だから許される人間離れした荒唐無稽さを実写に変換するプロセスに苦心の跡を感じつつ、頑張りと物足りなさとが交錯する中、前者が後者を上回って見応えも感じます。

原作の世界観を借りる以上は、実写版においても守らなければならないルールというか、そのキャラクターを“舞う”とでも申しましょうか、ある種の“成りきり”が必要な気がします。この点において、呂不韋役の佐藤浩市さんはただ一人原作のキャラクターを無視して普段通りに演じた結果、「キングダム」の世界で浮きまくっているのが興味深い。

原作の呪縛から逃れようのないストーリー展開の中、最も涙腺が崩壊するエピソードの1つである筈の「紫夏編」は、杏さんという適役を配していながらも駆け足で原作をなぞって終わってしまったのは少々残念。

そしてもはや原作のエピソードを映画1本に収める事を諦め、まるで来週をお楽しみに!と言わんばかりのエンディングを迎える本作。「紫夏編」はスピンオフにでも回して、4時間くらいの長編大作「馬陽編」として公開しても良かったんじゃないの?と思えた。

原作の最新刊は69巻(7月19日発売)。本作はまだ10巻前後のエピソードを片付けている状況なので、どう考えても今のペースでは現スタッフ・キャストで原作のエピソードを全う出来るとは思えない。実写版としてどう大団円を迎えるのか、果たして最後まで付き合えるのか、惰性で観に行かなければならない状況だけは避けて欲しいところです。

ちなみに本作を、原作未読の観客はどんだけ楽しめているんだろう?と一緒に観に行った妻に感想を訊いてみたところ、一言「面白かったよ」。それはヨカッタ。

(c)原泰久/集英社 (c)2023映画「キングダム」製作委員会
(c)原泰久/集英社 (c)2023映画「キングダム」製作委員会
(c)原泰久/集英社 (c)2023映画「キングダム」製作委員会
(c)原泰久/集英社 (c)2023映画「キングダム」製作委員会

 

パンフレット(¥880)

<CONTENTS>
・イントロダクション
・キャラクターたち
・人物相関図
・ストーリー
・キャスト・インタビュー 山﨑賢人/吉沢亮
・キャスト・コメント 橋本環奈/清野菜名
・キャスト・インタビュー 杏
・キャスト・コメント
 山田裕貴/片岡愛之助/山本耕史/玉木宏/佐藤浩市/大沢たかお
・その他キャスト・プロフィール
・飛信隊とは?
・「馬陽の戦い」 開戦時の布陣
・監督インタビュー
・原作者インタビュー
・脚本インタビュー
・音楽インタビュー
・プロダクション・ノート
・撮影インタビュー
・衣装 甲冑デザイン インタビュー
・主題歌
・クレジット

 

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