【蔵出しレビュー】「現実と非現実」、「人間と人形」を行き来するマーゴット・ロビー=バービー!『バービー』
※8月16日から公開のライアン・ゴズリング主演、デヴィッド・リーチ監督作品『フォールガイ』にあわせて、ライアン・ゴズリング出演の過去作品のレビューをUPしました。尚、文章は公開当時のものを一部加筆・訂正したものです。
■バービー
《作品データ》
マテル社の老舗的人気を誇るファッションドールシリーズ「バービー」の世界を、『ストーリー・オブ・マイライフ わたしの若草物語』のグレタ・ガーウィグが映画化し、バービー役をマーゴット・ロビー、ケン役をライアン・ゴズリングが務めたファンタジー作。住民全員が「バービー」と「ケン」の華やかな世界のバービーランドで、オシャレ好きなスタンダードのバービーは、ボーイフレンドのケンとともに、完璧でハッピーな毎日を過ごしていた。ところがある日、彼女の身体に異変が起こり、それを解決するために人間の世界に行くことになる。
共演にアメリカ・フェレーラ、ケイト・マッキノン、マイケル・セラ、ウィル・フェレルら個性派が集まった。
・TOHOシネマズ日比谷他全国ロードショー中!
・配給:ワーナー・ブラザース映画
・公式HP: https://wwws.warnerbros.co.jp/barbie/
《『バービー』レビュー(レビュアー:じょ~い小川)》
公開前から同じワーナーの配給作品『オッペンハイマー』にちなんだプロモーションで思わぬ炎上をしてしまったマーゴット・ロビー主演の『バービー』。見る前はマーゴット・ロビー主演の話題作というぐらいで軽い期待値でしかなかったが、見てみたら「バービー」の世界観とマーゴット・ロビーのコメディエンヌとしてのポテンシャルが見事に融合した傑作コメディ映画に仕上がっていて、当然ながら「バービー」で遊んだことがない野郎でも
グレタ・ガーウィグ監督が作り上げたバービー・ワールドに惹き込まれた!!
マーゴット・ロビーが演じる人形のバービーが人形の世界の「バービー・ランド」とロサンゼルスを舞台にした現実の世界を行き来しながら展開。ピンクを基調としたパステル調でキッチュなバービー・ランドと黒や茶色、ダークなカラーが多めでコンサバ推しの現実の世界が対比になっていて、「現実と夢」をテーマにしている。ピンク基調のキッチュさをゴリ押しにした色彩と演出はミッシェル・ゴンドリー監督作品や『メリー・ポピンズ』などにも通じるが、それらを遥かに振り切った演出で、故に好き嫌いが極端に分かれる。
本作が上手いのはバービーだけでなくライアン・ゴズリングが演じるケンをしっかりと使ったことにある。ケンにスポットを当てることで「現実と非現実」、「人間と人形」の対比に加えて「女の子の世界と男社会」というフェミニズムを巧みに取り入れている。ケンがロサンゼルスに行ってからの突如の目覚めと、以降のバービー・ランド荒らしで「バービー」の世界を遥かに超えたものを作り上げている。
フェミニズム以外にも後半のラディカル・フェミニズムの流れも振り切った面白さがある。どことなく『マンマ・ミーア!』1作目や『マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙』に通じるものがあったが、ケンの世界観を入れたことで上手く中和し、コメディとしてまとめ上げている。
なんといっても主演のマーゴット・ロビーの力が大きい。今回のバービーはDCコミックス系作品でのハーレイ・クインや『バビロン』のネリー・ラロイに次ぐ当たり役で、人形の人工的な感覚とどこか頭が悪そうな感じを醸し出していることからもハマり具合いがハンパない。コメディエンヌとしては同じオーストラリア出身のニコール・キッドマンを継承、というかそれ以上のものを発揮している。
もう一人、キャストで特筆したいのはマテル社のCEO役を演じたウィル・フェレル。彼が出ることでよりドタバタな展開になり、作品をよりカオスに推し進めている。
他にもポリコレをわざと意識した作りや、多くの廃盤バービーやスキッパーを出したり、バービーの原作者リスペクトやラストのオチなど、バービーの世界を深堀りしたコメディに仕上がっている。合う・合わないの極端さがあることを考慮することを前提に、
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投稿を表示早く亡くなった伯父がバービーの輸入商社に勤めていたので、ケンもだったか?いろいろバービー、ミッチー等を頂いていた記憶があります。
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