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私の好きな映画

静香
2024/12/23 19:25

バルカン超特急(ヒッチコック作品・1938年)

昨日『バルカン超特急(The Lady Vanishes)』を見たので久しぶりに投稿します。

 

『バルカン超特急』は、私が大好きなアルフレッド・ヒッチコック監督の作品で、第二次世界大戦前にヒッチコック監督がイギリス時代に撮影された作品です。今から約86年前の作品です。トーキーでモノクロで画質はあまり良くはありませんが、ヒッチコック作品の中でも私は特にお気に入りの作品です。

ちなみにこの作品を最初に観たのは私が10代の頃でした。

 

この作品のポイントは、まず最初は「これはミステリーなのかな?」と思うほど、冒頭30分ぐらいはヨーロッパの架空の国にある大自然の中のホテルが舞台で、そこでの人間模様が描かれていきます。見始めた時はこの映画の主人公は一体誰なんだろうと、結構な人が思うのでないでしょうか。

 

そしてホテルでの一夜に色々起きた後、ホテルの宿泊客たちはイギリス行きの列車に乗っていきます。その直前にギター弾きの男性が首を絞められる描写があり、列車に乗る直前に主人公のアイリス(女性で気が強いお嬢様)はある老女の隣に行ったときに、上からものが落ち(落とされ)頭を強く打ちます。それを心配した老女に付き添われ友達に見送られながら列車に乗ります。アイリスはもうすぐ結婚する予定で結婚について少しナーバスになっている描写も冒頭のホテル部分にありました。

 

そして老女と向い合せで列車に座り楽しくおしゃべりをして食堂車で老女の名前が「フロイ」であることを知ります。騒音のため窓に指で書いてもらったりもします。それもポイント。

 

そしてアイリスは頭を打った関係で列車に戻り眠りにつくのですが、目を覚ましたら

 

老女はいなくなっていました・・・そしてアイリスたちの席の隣にいた外国人家族たちに老女のことを聞いても「そんな人は最初からいなかった。」というのです。

他にも目撃した人に会って聞くも「そんな人は知らない。」食堂車のボーイたちに聞くも「お客様は最初からあなた一人だった。」というのです。

 

そう、この作品は列車で起こるサスペンス・ミステリーの古典的作品なのです!

それが列車が走る颯爽とした感覚、大自然、なのに起こっている不自然な状況と相まって、疑惑と疑念が深まっていきます。

 

最後まで書くとネタバレになるのでトリックは明かしませんが、100分程度の映画の中でユーモアのあるキャラクター達(クリケットの話ばかりする英国人2人組や、クラリネット弾きでアイリスに最初嫌な対応をするも老女を一緒に探してくるギルバート、W不倫している弁護士と彼女、外国人でマジシャンの家族たち)など個性が豊かで人間関係の描写も面白い中、列車という密室で起こるミステリーを列車が走る描写をしっかりしながら行っていく緊迫感。

これは現代のサスペンスミステリーに繋がっており、本当にお手本のような作品なのかもしれません。

 

ちなみに私が古い映画を観るときに、良く出演者の俳優についてWikipediaで経歴などを調べるのが好きなのですが、失踪した老女(ミス・フロイ)を演じたメイ・ウィッティは、1865年生まれ(つまり幕末)のイギリス人女優で、女優として史上初めて大英帝国勲章デイム・コマンダーを授与した方らしいです。古い映画を観るとそこに映る人たちがまるで生きているかのように生き生きしていて、その人たちの生きざまをスクリーンを通して知ることができます。だから私は古い映画が好きなのかもしれません。

 

バルカン超特急は本当にオススメです!

今見ても十分楽しめるし、戦前のヨーロッパの空気が映画を通して伝わってくる名作だと思います。

是非一度見てみてもらえたらです☆

 

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