複数ジャンルメガ盛りのライアン・ゴズリングによる映画作り映画！『フォールガイ』

■フォールガイ

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〈作品データ〉

80年代のアメリカのテレビドラマ「俺たち賞金稼ぎ!!フォール・ガイ」を題材にし、ライアン・ゴズリングを主演、『アトミック・ブロンド』や『ブレット・トレイン』のデヴィッド・リーチ監督が手掛けたアクション＆ミステリー、ラブコメディ映画。スター俳優トム・ライダーの映画のスタントマンを務めるコルト・シーバースはある撮影での落下事故が元でしばらく雲隠れをするが、彼の居場所を掴んでいたプロデューサーのゲイルはコルトに映画『メタルストーム』の撮影を行っているオーストラリアに呼び寄せ、行方不明になったトム・ライダーの捜索を依頼する。コルト・シーバースをライアン・ゴズリングが演じ、他エミリー・ブラント、アーロン・テイラー＝ジョンソン、ハンナ・ワディンガム、テリーサ・パーマー、ステファニー・スー、ウィンストン・デューク、リー・メジャースが出演。

・８月16日（金)よりTOHOシネマズ日比谷他全国ロードショー

・上映時間:127分分

・配給:東宝東和

【スタッフ】

監督・製作:デヴィッド・リーチ/脚本・製作総指揮:ドリュー・ピアース

【キャスト】

ライアン・ゴズリング、エミリー・ブラント、アーロン・テイラー＝ジョンソン、ハンナ・ワディンガム、テリーサ・パーマー、ステファニー・スー、ウィンストン・デューク、リー・メジャース、ジェイソン・モモア

原題:The Fall Guy/製作国:アメリカ/製作年:2024年

公式HP:https://fallguy-movie.jp/

〈『フォールガイ』レビュー〉

７月に公開した『デッドプール&ウルヴァリン』と共に2024年夏映画の二大期待作と目していたライアン・ゴズリング主演、デヴィッド・リーチ監督作品『フォールガイ』。映画制作やスタントマンに対する愛は予想通りで、それ以上に

アクションだけでなく、ミステリーやサスペンス、ヒロインのジョディとのラブコメディなど複数のジャンルを包括した超大作！

スタントマン映画・映画制作映画としても５月に公開したジャッキー・チェン主演の『ライド・オン』を遥かに上回るクオリティーで仕上がっている！

映画の軸はスタントマン、スタントダブルの主人公コルトがスタントダブル元の俳優を探す話で、その中でスタントマン復帰を渋るコルトのモチベーションを上げるためにプロデューサーのゲイルがコルトの恋人で映画『メタルストーム』の監督に抜擢されたジョディを餌に『メタルストーム』を制作しているオーストラリアに呼び寄せ、『メタルストーム』の撮影・スタントをこなしながらトムを探すが、なぜかトムを探す度に謎の襲撃者に襲われる。つまり、映画制作の裏側を見せる映画に監督とスタントマンのラブコメディと、いなくなった主演俳優探し＆さらなるトラブルといったミステリー＆サスペンスの間で謎の襲撃者とのアクション＆チェイスというように、いくつものジャンルが折り重なっていて、全く飽きさせない。

スタントマンが主役の映画とあって、前半の見どころとなる「キャノンロールによる回転数」のギネス記録を達成のシーンをはじめ、12階からの高所落下や数々カークラッシュ、カージャンプ、火だるま、車対人の衝突、走行中のアクションなど、アクションと事故そのもののようなスタントの連続は圧巻の限り。襲撃者とのアクションは『ジョン・ウィック』（実はデヴィッド・リーチもノンクレジットの監督）や『アトミック・ブロンド』、『ブレット・トレイン』等のデヴィッド・リーチの経験が生きているし、数々のカースタント、カーアクション、カーチェイス、カークラッシュは『ワイルド・スピード』シリーズを意識した作りと言えよう。

アクションやスタントばかりでなく、後半になるとミステリー＆サスペンスの謎や黒幕も一気に分かるスカッとした内容になっている。それも、メイン俳優、スタントダブル、スタントダブルの代役が見事に絡まる作りで、虚実が入り混じる高度な脚本である。そんな中でライアン・ゴズリングがエミリー・ブラントとラブコメディをやってのけている。主演がブラッド・ピットや他のアクション俳優でもおかしくないが、ライアン・ゴズリングを起用することで、『ブルーバレンタイン』や『ラ・ラ・ランド』とも違った唯一無二のラブコメディを作り上げた。