「幸せはシャンソニア劇場から(Faubourg 36) 」(2008)
■はじめに
音楽映画ということで、ちょっと地味ではあるが、シャンソンに関係する映画をご紹介する。ジャズ鑑賞時代には、アコーディオンが大好きだったので、映画館で視聴した作品。
■映画の概要・関係者
「コーラス」のクリストフ・バラティエ監督が第二次大戦前夜の激動のパリを舞台に、不況で閉館に追い込まれたミュージック・ホールの再建に尽力する人々の心温まる物語を、劇中で披露される華麗なショウの数々とともにハートフルかつノスタルジックに綴る音楽ドラマ。
主演はジェラール・ジュニョで、「コーラス」でも教師役で主演をしている。 また歌姫ドゥースを演じたノラ・アルネゼデールは本作で一躍フランス期待の若手スターとなった。 映画の製作には、クリストフ・バラティエ監督のおじにあたるジャック・ペランもかかわっているが、アコーディオンを弾くジョジョ役は、ジャックペランの息子のマクサンス・ペランになる。
2009年のアカデミー賞歌曲賞には、ラインハルト・ワーグナー作曲、フランク・トマ作詞のシャンソン「Loin de Paname」が選ばれた。日本でも「パリに恋して」というタイトルで歌われている。
■ストーリー
1936年パリ。長年パリっ子たちに愛されてきた下町のミュージック・ホール“シャンソニア劇場(Faubourg 36)”も不況のあおりでついに閉館に。裏方としてこの劇場に人生を捧げてきたピゴワルは悲嘆の中で酒に溺れる日々。そんな父に代わって健気な息子ジョジョが得意のアコーディオンで日銭を稼ぐが、ほどなく警察に見つかってしまう。失業中のピゴワルは保護者失格と言われ、ジョジョは別れた元妻が引き取ることに。最愛の息子を取り戻すため、ピゴワルは劇場の再建を決意するが・・・。
■エピソード
★ネタバレになるので細かい事は言えないが、シャンソニア劇場が盛り上がり、一役かっていたカド・メラッド演じるモノマネのジャッキー・ジャケは、謝って殺されてしまうのだが、弔辞で「フェルナンデル・・のマネだけはなくなればよい。」とブラックな言葉が述べられ印象深い。
★想像だが、ジャックペランの息子はマクサンスという名前だが「ロシュフォールの恋人達」で、カトリーヌ・ドヌーブの恋人役でマクサンスだったので、そこからとったのではないかと思う。
★主演のビゴワルは、常に仕事が欲しいとぼやいていて、貧乏くじな役所なのだけど、その派手さのないたたずまいが、この映画のよさなのかもと思う。