七人の刑事 終着駅の女
「七人の刑事」映画版の三本目は今までの二本(松竹)と異なり日活で製作されている「七人の刑事 終着駅の女」(65年)である。
この作品は「七人の刑事」という有名タイトルでありながら長い間、詳細不明とされていたようである。その理由がどうやら地方公開のみの併映作品だったから日活本社でも封切り日の詳細等が不明だった、ということのようである。では何故、地方公開のみだったのか?
それは後に回すとして、七人の顔ぶれはテレビ、松竹版と同じ堀雄二(赤木主任)、芦田伸介(沢田部長刑事)、菅原謙二(杉山刑事)、佐藤英夫(南刑事)、城所英夫(中島刑事)、美川洋一郎(小西刑事)、天田俊明(久保田刑事)。
ここに「特捜最前線」の船村刑事でお馴染みの大滝秀治が所轄の刑事役で加わっているような形。名前を呼ばれる場面はないらしいが、設定では「山越」という名のようだ。
上野駅のホームで若い女の刺殺死体が発見される。その死体を発見するのが「西部警察」の係長で知られる庄司永建である。メインゲストとなるのが笹森礼子で、他に北林谷栄、平田大三郎、梅野泰靖、草薙幸二郎、大森義夫、杉山元など。
他にも沖田駿一が本名の吉田毅名義で組員役、日色ともえが食堂のウエイトレスというチョイ役で出演していたりする。
笹森礼子はこの65年に結婚して引退しており、公開時期から考えると「男の紋章喧嘩街道」よりも本作が引退作ということになりそうである。平田大三郎も60年代の日活作品で活躍した役者だが、68年頃引退して実業家に転身している。
本作の注目点としては渡辺宙明が「音楽」ではなく「音響」としてクレジットされていること。誤植というわけではなくではなく、実はこの作品には音楽がないのである。
渡辺本人の話では、監督(若杉光夫)が音楽なしでいきたいと言い、劇中に街ノイズとしての音楽が流れるので、著作権使用料のかからない音楽について自分がアドバイスしたのだという。本人の感想として音楽がないと固い感じがつきまとい、かなり損をしている。音楽の必要性を改めて感じたとのことだった。
興行的にも成功しなかったのはそのためだろうとも述べており、つまりは地方公開のみになった原因にもなっているということになるのではないだろうか。
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投稿を表示音楽を使わず街のノイズを生かしたのは、リアル感を求めたからなんでしょうかね。確かに、作りもの感は消えますが・・・。
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