何者でもない自分を生きる『名もなき者』

【名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN】
2025年2月28日/140分/ドラマ/🇺🇸
2016年に歌手として初めてノーベル文学賞を受賞したボブ・ディランの若い日を描いた伝記ドラマ。「デューン 砂の惑星」「ウォンカとチョコレート工場のはじまり」のティモシー・シャラメが若き日のボブ・ディランを演じ、「ウォーク・ザ・ライン 君につづく道」「フォードvsフェラーリ」などを手がけてきた名匠ジェームズ・マンゴールドがメガホンをとった。第97回アカデミー賞で作品賞をはじめ計8部門でノミネートされた。
◾️STAFF 監督:ジェームズ・マンゴールド プロデューサー:Andrew Rona、ブライアン・カヴァナー=ジョーンズ、マイケル・ベダーマン 脚本:ジェイ・コックス、ジェームズ・マンゴールド |
◾️CAST ティモシー・シャラメ (ボブ・ディラン) エドワード・ノートン(ピート・シーガー) エル・ファニング(シルヴィ) モニカ・バルバロ (ジョーン・バエズ) ボイド・ホルブルック(ジョニー・キャッシュ) |
◾️STORY 1961年、アメリカ・ミネソタ出身の19歳の若者ボブ・ディラン(ティモシー・シャラメ)がニューヨークに降り立つ。そこで恋人となるシルヴィ・ルッソ(エル・ファニング)、フォーク歌手ジョーン・バエズ(モニカ・バルバロ)や彼の才能を認めるピート・シーガー(エドワード・ノートン)ら先輩ミュージシャンたちとの出会いを経て、フォークミュージックシーンの中で注目を浴びるようになっていく。 |
楽しみにしていたティミーの最新作をさっそく見に行ってきました!!
いや〜あたりまえかもしれないけど、ティミーが王子様じゃなくなっててビックリしました💦役作りで少し太ったのかな??
髪もボサボサだし、笑わないし、ド派手水玉シャツにパンイチで歩き回る姿は、もはやどこにもティミー感なかったですw😂
あと、歌う直前までタバコ吸ってるのにはビックリしました🫢


それにしても、スターと言うのは良くも悪くも変わり者なのですね。
映画の中のセリフにもあったけど、万人と同じであればスターではないわけで...どこかしら、まったくみんなと違うものを持っていて、車の事故並に人の目を惹きつけるわけです。
たとえ成功している人の真似事で売れたとしても、それ以上の成功は見込めないでしょう。
ボブ・ディランに関しては、音楽が彼のすべてと言っても過言ではないと思いますが、それほど承認欲求もないし、自分の感じたままを音楽で表現することで食べていければ良いと考えていたように感じました。
それが、あれよあれよとスターダムにのし上がり、やれ「フオーク界のプリンス」だの、やれ「若者の代弁者」だのと祭り上げられていくうちに、自分自身との違和感を感じるようになります。
民衆は彼に、『風に吹かれて』を歌い続けてほしいと期待しますが、彼は多分「俺は平和主義者じゃねぇっ!!」と叫びたかったのだろうと想像しました。
本当の自分とかけ離れて、イメージが一人歩きしてしまうことが芸能人など注目されている人には、よくあることなのでしょうか?
自分を表現しようとして、違う自分を演じることを望まれる(圧をかけられる)ことに苦悩し続けた彼が決断したこととは...という感じの内容。
そんなスーパースターの彼に振り回される女性たちにも深く共感しました。

ティミーの歌声は相変わらずステキでしたし、ボブ・ディランの歌詞の意味を初めて知ったので、そういう歌だったのか...と感動がありました。
しかし、ジョーンの歌がうますぎて、ちょっとボブが押され気味だったかな??😅💦
最後に私が一番心に響いた曲の一部と和訳をここに...。
『The Times They Are A-Changin'』(時代は変わる)
Come mothers and fathers throughout the land
And don't criticize what you can't understand Your sons and your daughters are beyond your command
Your old road is rapidly aging
Please get out of the new one if you can't lend your hand
'Cause the times, they are a-changin'
和訳:
全国の母親、父親たちよ...
理解できないものを批判しないでください。
あなたの息子や娘たちは、もはやあなたの支配を超えています。
あなたの古い方法は急速に時代遅れになっています。
新しい流れに手を貸せないのであれば、それを邪魔しないでください。
なぜなら、時代は変わりつつあるからです。

ミュートしたユーザーの投稿です。
投稿を表示本作よかったですね。
初日の初回IMAXで観ました。
結果としてアカデミー賞は残念でしたが、獲ってもおかしくない作品でした。
キャストによる日本向けメッセージで観たのですが、本作のプロジェクトがj始まったのが21年1月
ティモシ―・シャラメは最初から関わり、5年かけて役を組み立て、ディラン本人からツイートされて喜んでましたね。
ウディ・ガスリーやジョーン・バエズとの関係は知ってましたが、エル・ファニングの演じた役のモデル・スージー・ロトロのことは知りませんでした。
ウィキペディアで確認すると単なる恋人ではなく、彼女の影響がわかりました。
ジョーン・バエズのほうが歌うまいですね。 (笑)
ディランには歌手より先にソングライターとして売れました。
先にカバーしたジョーン・バエズ、ピーター・ポール&マリー、ザ・バーズらのほうがうまいし聞きやすいです。
でも独特の歌い方で味があるディランのほうがレジェンドになりましたね。