バイオレンスがメルヘンに!これって凄い!!
バイオレンスの魅力
人と人がやり合い、殺し合う。実社会では絶対に許されない事。
しかし、映画の世界なら別。ピストル、マシンガンの弾が飛び交い、
腕や脚がもげて血が噴き出しまくる。気がつけば死体の山。
これぞ、バイオレンス・アクション!
リアリティが求められる今日では、凄惨さがどんどんエスカレートしている。
凄惨。例え映画であっても目を背けたくなる事は少なくない。
しかし、そんなバイオレンス・アクションシーンを
まるでメルヘンであるかの様にカッコウ良くキレイに撮った作品がある。
それが、1969年公開のアメリカ映画・・・
「ワイルドバンチ」!
監督は、過激なバイオレンス描写で有名なサム・ペキンパー。
ストーリーは大金を狙う強盗団の西部劇。その強盗団を率いるリーダーを
映画史に残る数々の名作に出演している名優ウィリアム・ホールデンが演じている。
これが渋くて素敵なんです。
共演の個性派俳優、アーネスト・ボーグナインもあの顔、存在感がGOOD。
そして、最高の見所は何と言っても撃ち合いのシーン!
大金を巡ってウィリアム・ホールデン率いる強盗団と敵方が撃ち合い、
壮絶な殺し合いの火ぶたが切って落とされる。
これが、冒頭からいきなり始まるのだ。凄いのなんのって。
ピストル、ライフルの弾がもうあっちこっち、メチャクチャ飛び交い、
建物は片っ端から壊れて行く。窓ガラスはバリバリ割れまくる。
しかも、それらが全てスローモーション!
これが、すっごくいいんだなぁ。凄惨なシーンなのにファンタジー。
人が死んでいくのが詩情溢れるシーンへと昇華してしまうんです。
後半、もっと凄い撃ち合いのシーンが待ち受けているが、
スローモーションを延々とフルに使い、もうメルヘンの世界にしか見えません。
殺戮シーンがもうポエム、美しく見えてしまうのだ。
過激な撃ち合いの途中に差し込まれる呆然と見つめる幼い子供の姿。
これが詩的効果を醸し出している。
凄い、面白い!こんなファンタジックな撃ち合い、殺戮シーン見た事ない!
正に、異次元。「異次元の少子化対策」ならぬ、「異次元の驚異な快作」!
ちょいとキツかったかしらん、山田く~ん、座布団持ってって~!!
全ての影響は、日本が生んだあの巨匠
ただ、観ていて思うのは、「あら!?何だか黒澤明っぽいなぁ」という事。
馬に乗って登場するシーンや構図のカッコウ良さは、黒澤明作品を思い出させるのだ。
で、調べてみたらやはり、監督のサム・ペキンパーは黒澤明の大ファン。
当然、その影響も大きい。考えてみれば、
人を殺めるシーンでのスローモーション使用は黒澤明が元祖。
リアリティを求めた黒澤明監督の多大なる影響のもと、
サム・ペキンパー監督のバイオレンス・アクション美学の極致、
それが「ワイルドバンチ」なのだ!ぜひ、ご覧あれ!!
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