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私の好きな映画

tetsu8
2023/09/10 12:34

沖雅也の出演映画(日活時代)

唐突だが沖雅也である。

沖雅也は52年大分生まれで、本名というか出生名を楠城児(後に日景城児)といい、逆に芸名っぽい。元々は裕福だったが、父の事業失敗や両親の離婚などもあり、中学卒業前に家出して上京。年齢を偽り住み込み等で働き、68年スナックでバーテンダーをしていた時にオスカープロにスカウトされる。日活関係者に紹介され「ある少女の告白 純潔」での映画デビューが決った。正式に中学を卒業していなかったため、デビューする際に卒業証書を受け取っている。
「ある少女の告白 純潔」だが、主演はデビュー2作目となる丘みつ子で、沖はその相手役に抜擢されている。高校三年生の役だが、沖は16歳、丘は20歳になっていた。日活は二人を浜田光夫、吉永小百合に続くようなコンビにしたいと考えていたようだ。クレジットには共に(新人)が付いていた。

他の出演者だが、杉良太郎、小山ルミ、清水将夫等で、杉は沖の先輩、清水は沖の父親役だ。他にも同級生役で「レインボーマン」の高樹容子、「帰ってきたウルトラマン」の桂木美加、役柄はよくわからないが「ダイヤモンドアイ」の大浜詩郎など。

 

沖の出演2作目となるのが69年の正月(明け)作品である「花ひらく娘たち」だ。ただ、ここでの主演は吉永小百合、浜田光夫の黄金コンビで、加えて和泉雅子、杉良太郎、おまけにストーリーにはほぼ絡まないが渡哲也も顔を見せており、沖、丘コンビは完全に脇役といってよい(丘はほぼチョイ役)。吉永と和泉は姉妹で、沖はその弟という役だ。
他にも川口晶、斎藤チヤ子、西恵子、清水将夫、宇野重吉といった顔ぶれ。清水はまたしても沖(たち)の父親役で、斎藤の弟役が渡である。

 

出演3作目となるのが「恋のつむじ風」(69年)である。主演は松原智恵子で、デビュー9年目にして初の単独主演ということである。彼女の役名が松山アカネで、ルームメイト役の長谷川照子が梅村ミドリ、太田雅子(後の梶芽衣子)が竹野アオイ。それぞれの通称がウエスト、バスト、ヒップ(笑)という三段構え。ただクレジットは松原がトップ、長谷川が二番手に対し、太田は7番手になっている。
男性陣が杉良太郎、和田浩治、川口恒、そして沖雅也。他の女優陣が山本陽子、有沢正子、西恵子、久万里由香そして丘みつ子といった顔ぶれ。沖の役柄はアオイの友人でデッサンモデルをしている高志という青年。丘の役柄は杉の妹。なにげに杉とは過去三作とも共演していることになる。

沖と丘は本作でも脇役。この二人と長谷川照子、西恵子は「エメラルドライン」として売り出そうと考えられていたらしい。西恵子といえば「ウルトラマンA」の美川隊員という人も多いと思うが、本作には山中隊員役だった沖田駿一(当時は吉田昌史)も出演している。得意?のチンピラ役だが、れきっとした日活ニューフェイスだ。

 

この次に沖が出演したのは、「前科 仮釈放」(69年)である。観客動員の伸び悩みもあり、この辺りから日活も青春路線を辞め、東映のような任侠路線へと転換し始めていたのである。主演は渡哲也で、ヒロインは松原智恵子。沖はクレジット3番手で(新人)の文字が付いた。役柄は渡の弟分の組員で松原の実弟。じかし、殺されてしまうのである。悪玉が内田稔、青木義朗。他の出演者は大木実、戸上城太郎、玉川良一、長内美那子、そして今井健二と、かなり東映色の強い顔ぶれとなっている。今井はずっと東映所属のイメージだが、62年にはフリーになっていたのである。
 

続くシリーズ第2弾「前科 ドス嵐」(69年)にも沖は組員役で出演しているが、メインから少し外れているようだ。ちなみに、この2作に丘みつ子は出演しておらず、コンビは既に解消という感じである。
本作には、東宝から森光子、佐藤允が出演。他にも中村竹弥、伊藤るり子、奈良岡朋子、そして宍戸錠など。悪役は今井健二、青木義朗など。

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