ある地点に暮らす幾世代もの家族の喜びや悲しみを「ここに」詰め込んだ104分

作品情報/あらすじ
アメリカの大地のある一点に視点を固定し、その前で繰り広げられる何世代にもわたる家族の物語と、人類の歴史を超えて紡がれてきた地球の黎明期から続く壮大な命の営みを描き高い評価を受けたリチャード・マグワイアの傑作グラフィック・ノベルを、ロバート・ゼメキス監督が主演に「フォレスト・ガンプ/一期一会」のトム・ハンクス&ロビン・ライトを迎えて実写映画化した異色作。ある場所に建てられた家の中で営まれるいくつもの家族の暮らしと悲喜こもごもの瞬間が、固定カメラによる画期的な映像表現で描かれていく。またトム・ハンクスとロビン・ライトは、最新のVFX技術を用いて10代から70代までをひとりで演じ切り、その違和感のないヴィジュアルと演技も見どころ。
〈引用:all cinema〉
さて、『フォレスト・ガンプ/一期一会』のスタッフ、キャストが約30年ぶりに再集結したというだけでハードルが上がってしまいそうですが、そのハードルをよいしょっと小脇に抱えて一緒に歩いていくような作品でした。
見どころをいくつかご紹介させてください。

何千年もの時代を行き来する壮大な時間旅行

本作の鍵となるのは、時代を行き来しながら様々な年代の家族の様子を見守るという点。

画像のように画面にウィンドウが出てくるので、そこを介して様々な時代を行ったり来たりすることができます。
実はグラフィックノベル(リチャードマグワイア作)が原作となり、ロバートゼメキス監督がこのたび実写映画化したとのこと。

原作にはかなり未来のことまで描かれており、原子力災害や第三次世界大戦を創造させるものなどを通して現代への警告的メッセージも込められているようですが、映画では未来のパートに関しては触れられておらず監督の暖かさが滲み出るような映画に仕上がっています。

時代を表現する緻密な美術セット

様々な時代を映像化するにあたり欠かせない美術セット。
本作でも、限られた画角の中にふんだんに装飾品を用いて各年代を表しています。
ミニマムな環境だからこそ細かいところまでこだわりが詰まったセットになっていました。
暖炉やソファなどの室内のインテリアはもちろん、出窓の外の景色まで時代に沿って変化があるので出来るだけ大きな画面で細部まで見て欲しい作品になっています。
10代から70代までを演じた2人の圧巻の演技力と最新技術
今作では最新のVFX(Visual Effects)を用いてトム・ハンクスとロビン・ライトが10代から70代までを演じているのですが、その撮影方法は今までの2人の画像を集めに集め、デジタルでメイクを施すというもの。
しかも撮影後に編集ではなく、シーンごとに止めて撮った映像にメイクを施すという手法。なぜならメイクを施すのは顔だけで身体や動きは撮影当時60代のトム・ハンクスと50代のロビン・ライトがそのまま演じているから。その場でデジタルメイクを施すことで、2人は10代や70代の歩き方や身振り手振りをあわせていくことができます。

圧巻の演技力はいわずもがな、2人の役者人生の積み重ねで膨大な写真データがあったからこそ実現できた最新のVFX。この2つが文字通り相乗効果で作品にリアリティをもたらせてくれます。

全ての年代の人に寄り添うあたたかさ

本作では様々な時代における多種多様なライフステージを見守ることになります。それはつまり、観る人全員が自分を重ね合わせることができる瞬間があるということ。どこにでもあるような家族を描いているからこそ、自分が育った家を想うきっかけになる作品になっています。

ロバート・ゼメキス監督らしい、愛に包まれた作品です。でもそれだけではありません。
現代の家族の場面にて「においがしない」というセリフがあります。2020年から大流行した例のあれです。それも時代の流れの一部。あっという間に5年が過ぎました。時間は有限です。誰と一緒に過ごしたい?最期の時はどこで過ごしたい?やり残したいことはない?
自分の時間の使い方を考えろよ。というメッセージを優しく放り投げてくれるような作品でした。
最後に、約30年前に撮った、『フォレスト・ガンプ/一期一会』についても記事を書いているのでよければチェックしてもらえるとうれしいです。
(青字をクリックすると記事へジャンプできます)
また、『フォレスト・ガンプ/一期一会』に関してはTSUTAYA DISCASにてレンタル可能ですので、本作視聴前後に観てみるのもおすすめです↓↓

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投稿を表示原作もあったんですね💡原作そのままではなく、ロバート・ゼメキスのオリジナリティも掛け合わせた作品になっていたんですね✨