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私の好きな映画

tetsu8
2025/01/17 07:38

井上順の出演映画 

堺正章とくれば、次は井上順である。
井上順は47年渋谷生まれ。2月なので堺とは同級生ということになる。13歳にしてジャズ喫茶に出入りし、峰岸徹、大原麗子、田辺靖雄らがいた六本木野獣会のメンバーとなる。やがて、田辺昭知に声をかけられ、64年にスパイダース入り堺と共にボーカルとMCを担当するようになる。
 

映画に関しては、スパイダース時代は当然堺と一緒で、喜劇 ドッキリ大逃走喜劇 右向けェ左(70年)も堺と一緒に出演しているので、紹介済である。
 

スパイダース解散後にソロとなってからの最初の映画は西のペテン師・東のサギ師(71年)である。原作は藤本義一だが、脚本も本人が担当した。タイトルで言う西のペテン師が藤田まことで、東のサギ師が井上順(当時は順之)である。ヒロイン役となるのが浜木綿子徳永礼子(後にれい子)。徳永はほぼ新人で猿の軍団が有名だろうか。他に藤木悠、市地洋子、茶川一郎らに加え、芦屋雁之助、芦屋雁平、曾我廼家五郎八、コロムビアトップ・ライトといった喜劇人が顔を揃えている。

喜劇 泥棒大家族天下を取る(72年)は渡辺プロの製作で東宝創立40周年の記念作品の一つ。主演は植木等で、谷啓、犬塚弘、桜井センリ、安田伸といったクレージーキャッツのメンバー(つまりハナ肇以外)も出演しているので、本作を最後のクレージー映画だとする見方もある。他に藤田まこと、峰岸徹(当時隆之介)、小松政夫、なべおさみ、藤村有弘、三木のり平、伴淳三郎、女優陣はミヤコ蝶々、八並映子、紀比呂子、江夏夕子、大地喜和子、山東昭子といったところ。

井上順之は郵便配達役だが「特別出演」扱いになっているのは、当時の「シャボン玉ホリデー」の司会だったからのようだ。クレージーキャッツ、ザ・ピーナッツを中心とした歌とコントの番組というイメージの人が多いと思うが、実は72年5月からの半年間は谷啓、ピーナッツ、井上がメインの公開番組だったのである。その期間を覚えている人はあまりいないのではないだろうか。
この頃の映画出演はこの2本だけで、短かった井上順之時代ではあるがソロシングルに関しては昨日今日明日」「お世話になりました」「と堺以上にヒットを連発していたのである。

 

72年はグランド劇場「おふくろの味(第2シリーズ」にレギュラー出演。第1シリーズは主演は吉永小百合で、森光子、千秋実、佐々木勝彦、悠木千帆(樹木希林)、八代英太らが出演。佐々木は千秋の実の息子(次男)である。八代はこの翌年に事故で下半身不随となってしまう。第2シリーズは森光子と千秋実演じる夫婦が主役だが、1シリーズとは別役である。他に島かおり、寺尾聰、志垣太郎、児玉清らで井上の役柄についてはよくわからない。

また、大ヒットドラマありがとう(72~73年)の第2シリーズにも十(つなし)病院の薬剤師・相沢万希男役でレギュラー出演。続く第3シリーズにも八百屋で石坂浩二の弟・寺川明子役でレギュラー出演。明子とかいて「あきじ」と読む。「美」で終わる名前の男性は結構いるが「子」はほぼ見たことがない。ただ、三木のり平の本名は田沼則子(ただし)といったりする。これ以降も石井ふく子プロデューサーの作品には頻繁に起用される
 

73年になると芸名を井上順之から井上順に戻している。その最初の出演映画は松竹の愛ってなんだろで、主演は天地真理、森田健作である。天地の映画主演作は「虹をわたって」に続いて2作目。こちらでの共演は萩原健一や沢田研二であった。アイドル映画の場合、シングルのタイトルがそのまま映画タイトルのケースが多いが、本作は違っており主題歌として使われたのは「若葉のささやき」で、挿入歌として「ふたりの日曜日」「ひとりじゃないの」なども使用されている。他の出演者は田中邦衛、小松政夫、小鹿ミキ、尾藤イサオ、岩崎和子、佐藤蛾次郎などで、ストーリーには直接絡まないところで、谷啓、安田伸、レッツゴー三匹、そして井上が登場する。役柄は「歌手」となっているのだが、天地が出前持ちに化けて、尾藤イサオ演じる人気歌手・水野明の楽屋に入るのだが、そのドアには「水野明・井上順」と書かれているのだ。つまり本人役で、天地との軽妙なトークを繰り広げる(と言っても2分程度)。

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