私の好きな映画

tetsu8
2025/06/19 15:57

舟木一夫の出演映画 その4

舟木一夫のラストである。

 

67年の正月公開が日活「北国の旅情だ。脚本が倉本聰で、舟木が主演で、ヒロイン役は和泉雅子に代わり十朱幸代である。最終的に十朱は山内賢と結ばれたりする。他の共演者は江戸家猫八、小橋玲子、小園蓉子、高品格、市村俊幸、東野英治郎などで、長山藍子の扱いがまだ小さい。当時の予告やポスターには橘和子(姿美千子の実妹)の姿、名前があったりするのだが、実際本編にはいないのでカットされたということだろうか。主題歌「北国の旅情」は、公開後の3月発売のシングル「星の広場へ集まれ!」のB面に収録されている。作詞は映画を監督した西河克己である。
 

同じ日活では夕笛がある。48枚目のシングルタイトルでもある。昭和初期を舞台とした悲恋もので、ヒロイン役は松原智恵子で、他に島田正吾、小高雄二、細川ちか子、波多野憲、下條正己、風見章子など。芸術祭参加作品でもある。
 

東映「一心太助 江戸っ子祭り」では、初の時代劇主演を得ている。舟木は太助と徳川家光の二役を演じている。太助と言えば大久保彦左衛門だが、こちらは加東大介が演じる。他に藤純子、里見浩太朗、財津一郎、花紀京、小池朝雄、品川隆二など。
 

そして東映では「銭形平次」の映画版がある。テレビ版と同じキャストは大川橋蔵と遠藤太津朗、池信一だけで、お静は水野久美(テレビ版は当時八千草薫)、八五郎は大辻伺郎(テレビ版は林家珍平)が演じている。舟木は平次と共闘する侍役で出演している。ちなみに本作が橋蔵にとって最後の映画出演となったのである。

67年は日活、東映だけでなく東宝作品にも進出。「その人は昔」は、シングルではなくアルバムのタイトルであり、音楽物語(組曲)という企画レコードだ。北海道の襟裳で出会った若い男女二人が東京へ駆け落ちするが、都会の波に翻弄されていくといような話。主演の男女を舟木と内藤洋子が演じている。他に山中康嗣、金子勝美、生方壮児などで、他はほぼほぼ見たことのない名前が並んでいる。
 

君に幸福を センチメンタルボーイ」も舟木と内藤洋子のコンビによる青春映画。シングルのタイトルは「センチメンタル・ボーイ」である。小鹿敦が舟木の同僚(洋菓子店)で、他に茅島成美、山岡久乃、清水将夫、浦部粂子、田島義文などで菊容子の名前もある。小鹿敦は後に小鹿番を芸名とするが、これは小鹿のバンビのもじりで、倉本聰が名付け親らしい。菊蓉子は当時17歳で、映画出演は全部で3本と少ない。75年に交際中の男性(俳優)に殺害されてしまう。内藤洋子も当時17歳だったが、70年にザ・ランチャーズの喜多嶋修と結婚して引退している。
 

ドラマでは日活が制作した「あいつと私」に出演。主演は松原智恵子と川口恒で、松原の妹役にジュディ・オング、小橋玲子、松井八知栄。小橋は当時14歳で「怪奇大作戦」が有名で、松井は当時9歳で、「河童の三平が有名だろう。中学前には子役は引退しているようで、82年にプロボウラーとしてデビューしている。舟木は主題歌を担当。46枚目シングル「夏子の季節」のB面に収録されている。
 

68年は日活が2本。「花の恋人たち」は、吉永小百合、浜田光夫のコンビが主演で、和泉雅子、山内賢、十朱幸代、岡崎二朗、川口恒、山本陽子といった若手スターが並んでいる。舟木は山本の弟役で、クレジット的にはトメ(最後)になっている。主題歌ではなく挿入歌として50枚目シングル「くちなしのバラード」が流れる。
 

残雪は51枚目のシングルタイトルでもあり、舟木と松原智恵子が主演。スキー場で出会った二人は愛し合うようになるが、実は彼女は空襲で死んだと思っていた実妹であることが判明し、二人は心中するという悲恋もの。他に和田浩治、小橋玲子、江戸家猫八、丹阿弥谷津子、山形勲など。
 

69年、日活「青春の鐘」も舟木と松原智恵子が主演の青春恋愛もので、他に和田浩治、山本陽子、藤竜也、小高雄二など。
 

この後、松竹作品が二本続く。「永訣 わかれ」は舟木が主演の戦時中を舞台にした悲恋もの。ヒロイン役が大空真弓で他に尾崎奈々、緒形拳など。
 

いつか来るさよなら」も、主演は舟木で、原作が笹沢佐俣、監督が川頭義郎という悲恋もの。ヒロイン役が光本幸子で、他に勝部演之、沖山秀子、山形勲など。舟木が勝部を毒殺するなどサスペンス色もある。


70年は橋幸夫の項でも紹介した御三家の唯一の共演「東京-パリ 青春の条件」に出演した後に低迷期を迎え、70~72年に三度の自殺未遂を起こしている。映画も途絶えていたが、79年にATG青春PARTⅡ」、東映「総長の首」に顔を出したりしている。

 

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