「戦争の映画」を時系列で並べてみた件 ~Vol.5~
前回まで15作品。まだまだあります。まだまだあるけど1944年後半に突入。
いよいよ第二次世界大戦、太平洋戦争としては終盤。壮絶なドラマがそこにある。
※実は3年ぐらい前の夏に急に思い立ってこの手の映画を片っ端から観たモノを抜粋して改めてご紹介してます。
これらも、他にもFilmarksでたくさんレビューを書いているのでよろしければどうぞ!
https://filmarks.com/users/matchypotter
16.『ワルキューレ』(2008)
1944年7月、ドイツ。
ドイツ国内。シュタウフェンベルグ大佐、ヒトラー暗殺と“ワルキューレ作戦”を利用したベルリンの制圧による独裁政権の転覆を謀るが、失敗。
監督はブライアン・シンガー、そして、主演はトム・クルーズ。
ドイツ政権の暴挙に疑問を持ち始めたドイツ人将校が“ヒトラー暗殺”という並々ならぬ作戦を同志と手を組み暗躍するスリリングな展開。
トム・クルーズが、ヒトラーがいる作戦室へと迫っていくシーンは緊張で手汗がハンパない作品。
17.『父親たちの星条旗』(2006)
1945年3月、硫黄島。
硫黄島の制圧で島にアメリカ国旗を立てた米軍兵士たちの戦果を象徴する。
前述の『硫黄島からの手紙』とセットのイーストウッド監督の作品。
『硫黄島~』と連動する話でありながら、あちらは硫黄島の要塞建造からの日本兵の目線話で、こちらは陥落手前から陥落までのアメリカ兵目線。
太平洋戦争におけるアメリカ軍の功績を称える表向きと、そこには多くの犠牲が伴っていることや、『硫黄島~』による日本目線もある。
そういう意味で敵対する2国を通じて「戦争とは何か?何が残るか?」を考えずにはいられない作品。
18.『火垂るの墓』(1988)
1945年3月~、日本。
神戸~西宮。空襲に遭い、疎開し、最後は2人で生きることを選んだ清太と節子の壮絶で残酷な日常を描く。
この連載で初“戦争”のアニメ。高畑勲監督。
もはや説明不要の日本が誇るアニメーション作品。何度観ても、何度観ても、嗚咽が止まらない作品。
子供の頃から今観ても、この清太に自分を重ねてしまい、本当にあの時代の青年たちの徒労感、絶望感に思いを馳せる。
幼い節子と生きるために、親戚の家を飛び出してからの後半の生活はもう、言葉にならない。これを観て以来、“サクマ式ドロップ”を見るとどうにもやりきれない気持ちになる。「戦争とは、何のための戦争か?」
19.『フューリー』(2014)
1945年4月、ドイツ。
“ウォーダディ”隊の戦車「フューリー号」が、最強と言われたタイガー戦車や数百人のドイツ兵を相手に孤軍奮闘。
ブラッド・ピット主演の“戦争”の映画。
前に紹介した『T-34~』と同じく戦車隊の映画。こちらも戦車の動きや仕組みを活かしたアングルや戦闘が見どころ。
そして、行くところまで行き、行き着いた先の、全方位四面楚歌状態の孤軍奮闘。独特な“ゴロツキ”の集まりの彼らなりの意地とプライドを見せる。
今回はここまで。いよいよ1945年代に突入。終戦まで1年ない。
ある程度、行くところまで行き、引くに引けない、ジリジリとした局地的で極限的な環境が目立ってくる。