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私の好きな映画

tetsu8
2024/10/04 02:15

岸田森の出演映画 その3

引き続き、岸田森である。

71年の岸田は、テレビでは帰ってきたウルトラマンに出演。主人公・郷秀樹(団次郎)が働いていた自動車修理工場の経営者・坂田健役でレギュラー出演。しかし、その妹役でヒロインでもあった榊原ルミのスケジュール確保が困難にななっため37話にて宇宙人に襲われ共に死亡という形で降板した。その直前の35話にて岸田は朱川審の名で脚本を書いている。

71年は何と言っても呪いの館 血を吸う眼であろう。これは「血を吸うシリーズ」の第二弾にあたり、1作目は幽霊屋敷の恐怖 血を吸う人形(70年)であり、出演は中村敦夫、小林夕岐子、松尾嘉代、中尾彬、宇佐美淳也などで、岸田は出演していない。ちなみに吸血鬼は中村敦夫ではなく小林夕岐子である。つまり美女吸血鬼というわけだ。
今回の「血を吸う眼」も当初は岡田真澄を予定していたというが、スケジュールが合わず、そこで監督の山本迪夫が推薦したのが岸田だったのである。ドラキュラ俳優と言えば、クリストファー・リーが有名だが、本作は1作目とは違い、和製ドラキュラ映画を目指して製作された。他の出演者だが江美早苗、藤田みどり、高橋長英、大滝秀治、高品格など。藤田は67年頃からテレビドラマには出演していたが、映画は本作が初出演だったようだ。当時は劇団欅に所属していたが、同じ劇団だった岡田真澄と後に結婚するのである。つまり、当初のままだったら(後の)夫婦共演ということになっていたのだ。

 

いのちぼうにふろう」は山本周五郎「深川安楽亭」を原作とした時代劇である。「島」にある安楽亭は中村翫右衛門演じる幾造とその娘・栗原小巻演じるおみつが営む一見居酒屋だが、実は密輸の本拠地。そこを巣にしているのが主演の仲代達矢ほか、佐藤慶、近藤洋介、山谷初男、植田峻、草野大悟、そして岸田森である。他に酒井和歌子、山本圭、神山繁、中谷一郎、滝田裕介、そして勝新太郎もチラっと姿を見せる。ちなみに脚本は隆巴つまり仲代の嫁さん(宮崎恭子)である。


曼荼羅は、ATG制作のR18指定映画。監督は実相寺昭雄で、「怪奇大作戦」「ウルトラマン」「ウルトラセブン」といった円谷プロ特撮の監督としても知られる。岸田とも「怪奇大作戦」で一緒であり「京都買います」「呪いの壺」といった岸田が演じる牧が主役となるエピソードを演出している。それにちなんでか本作での役名は「真木」である。他にも桜井浩子、小林昭二、原保美といった前述の作品でレギュラーを務めた役者も起用されている。ストーリーの中心となるのは田村亮、清水綋治、森秋子、そして桜井浩子で、岸田はユートピア集団の実現を計ろうとする人物。他に富川澈夫、草野大悟、花柳幻舟など。


72年に入るが、哥(うた)」は篠田三郎の項でも紹介したが、これもATG制作で、実相寺昭雄の監督作品だ。ここでは岸田、東野孝彦(英心)、篠田三郎が三兄弟で、その父親がアラカンこと嵐寛寿郎だ。他に「曼荼羅」と同じく田村亮、桜井浩子、原保美、加えて八並映子、内田良平など。

 

高校生無頼控は「漫画アクション」に連載の劇画の映画化で、原作は小池一夫、芳谷圭児。主人公のムラマサが過激派で指名手配の兄を探して、鹿児島から東京を旅するのだが、行く先々で女性と知り合い、性的関係を結んでいくという物語。主役のムラマサが沖雅也で、兄が岸田である。他に夏純子、八並映子、進千賀子、川村真樹、木村由貴子、南利明、岡崎二朗、宍戸錠など。

 

72年の続きだが、「子連れ狼」シリーズの2本にどちらも敵役で出演。「子連れ狼」と言えば、テレビシリーズの萬屋錦之介のイメージが強いと思うが、映画版の拝一刀は若山富三郎である。大五郎役は富川晶宏
子連れ狼 三途の川の乳母車は、映画版の第2作。一刀は小角(小林昭二)率いる黒鍬者や柳生鞘香(松尾嘉代)が送り込む別式女たち(鮎川いずみ、三島ゆり子、東三千、水原麻紀、笠原玲子、若山ゆかり等)を倒しところ、阿波藩より刺客の依頼を受ける。江戸へ護送される男を斬ってほしいという依頼だったが、そこには公儀護送人である左三兄弟が付いていた。その三兄弟が大木実、岸田森、新田昌玄である。
 

子連れ狼 親の心子の心は、映画版の第4作。一刀は尾張藩より雪(東三千、後に原田英子)という女を斬ることを依頼される。雪は「乞胸」という身分出身の別式女だが、妖術を操る狐塚円記(岸田森)との立ち合いに負け強姦されていた。その雪辱を晴らすために脱藩していたのである。雪が円記に勝ったのを見届けて一刀は彼女を斬る。もちろん、それだけではなく裏柳生軍団と一刀との死闘もあったりする。他の出演者は林与一、山村聰、小池朝雄、遠藤辰雄(太津朗)など。怪しい妖術使いというのは岸田に似合った役に感じる。

ところで、テレビシリーズ(73年)の第2話として放送されたのが「乞胸お雪」というサブタイなのだが、現在欠番扱いとなっており、再放送も74年を最後に一切なく、もちろんソフト化もない。CSなどで行われる放送でも全27話を全26話として、話数なども繰り上げられなかったことにされている。「乞胸」が現在では差別用語にあたるからというのが大きな理由のようだ。

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