2024年に観た映画(35) 「ラストマイル」
「塚原あゆ子監督と脚本の野木亜紀子が再びタッグを組んだ、『アンナチュラル』『MIU404』と繋がるシェアード・ユニバース・ムービー」との宣伝文句に、(観賞前は)なんて商魂逞しいTBSの商業映画戦略だこと!と眉を顰めておりました。新作映画にかつての人気TVドラマの出演者を総動員させて同じ土俵に立たせるなんてと。
ただかつてドラマを(楽しんで)観ていた視聴者層の興味は確かに引いたようで、おかげで久し振りに娘と一緒に映画を観る幸せにありつけたのでした(TBSさん、ありがとう!)。
ブラックフライデー前夜に始まる、連続集配物爆破事件を巡る犯罪ミステリー。
冒頭で繰り広げられる、繁忙期を控えた最新鋭の物流センターの映像が壮観。一握りの正社員と数千人の派遣社員で運営される“戦場”を主役2人のやり取りでお仕事映画風に紹介しながら、これからここで起きるであろう“何か”に自ずと期待が膨らみました。
事件に翻弄される物流関係者の人間ドラマを、BtoCのラストワンマイルという領域で展開されるグランドホテル形式さながら同時進行的に交錯させる。謎が謎を呼び、紐解かれてゆく真実が次の疑惑を誘発する展開に、最後まで目が離せなくなりました。
TVドラマの出演陣は、決してドラマの中核に足を踏み入れる事無く、立場を弁えて事件解決に貢献。ドラマ未見の方は楽しめないシーンも多々ありますが、節度の保ち方は好感が持てました。
惜し気もなく登場させる人気俳優の数々も、ドラマ・パートの豪華友情出演陣とのバランスが取れていたような。阿部さん、大倉さん、酒向さん等、個性派舞台俳優出身の役者さん達がいつものように盛り上げる。もはやオールスター感謝祭状態ですw。
最初の爆発シーンがTVドラマの水準で、こんなんで大丈夫?と思いながら観始めましたが、期待以上に面白かった。やるな、TBS。ちなみにこの内容なら「TOKYO MER」も参加できましたね(塚原&野木コンビの作品じゃないけど)。
№35
日付:2024/9/3
タイトル:ラストマイル
監督:塚原あゆ子
劇場名:シネプレックス平塚 screen8
パンフレット:あり(¥880)
評価:6
<CONTENTS>
・イントロダクション
・ストーリー
・人物相関図
・満島ひかり&岡田将生 インタビュー
・キャスト・コメント(一部袋とじ)
・塚原あゆ子監督インタビュー
・野木亜紀子(脚本)インタビュー
・新井順子(プロデューサー)インタビュー
・プロダクション・ノート
・得田真裕(音楽)インタビュー
・TBS金曜ドラマ「アンナチュラル」全話紹介
・TBS金曜ドラマ「MIU404」全話紹介
・主題歌
・クレジット