高城丈二の出演映画
今回からは、御三家とは関係のない高城丈二である。
多分再放送で、小学校の低学年だったか、ドラマ「七つの顔の男」を見ていた記憶があり、その主役が高城丈二だった。OPのテーマソングソングさえ記憶にある。80年代に入るとその姿を見ることは無くなったのだが、大病を患い引退したとのことで、その後は一切公の場に姿を見せることはなく、インタビューにも応じることはなかったという。没年不明となっており、既に亡くなっているようだ。
高城丈二は36年生まれで、本名は清水嘉美という。57年20歳の時に若杉啓二の名で歌手デビュー。曲名は「愛しのユリー」といい「エリー」ではない。サザンがこの曲を知っていたかどうかは不明だ。57~58年で十数枚のシングルを出している。遠藤実が作曲した曲もある。
改名時期は不明だが、映画初出演と思われるのが、60年松竹の「真昼の罠」である。この時は既に高城丈二になっていたようである。これが俳優デビューと思われるが、役柄は不明だ。ちなみに主演は佐々木功、岩下志麻である。佐々木も元々は歌手だが、映画での主演もあったのだ。他に安井昌二、南原宏治、植村謙二郎、沢村貞子などである。
翌61年も3本の松竹作品に出た記録がある。「渦」は井上靖の新聞連載小説が原作で、主演は佐田啓二、岡田茉莉子。他に佐分利信、岩下志麻、仲谷昇、田中晋二など。

「痛快太郎」は65分程度のアクションコメディで、主演は山下恂一郎、牧紀子。山下は後に大映に移籍する。他に柳永二郎、国景子、トニー谷、左卜全などで、高城は殺し屋の役である。

「斑女」は「マダラオンナ」ではなく「ハンニョ」である。主演は岡田茉莉子と佐々木功で、共演は芳村真理、倍賞千恵子、沢村貞子、佐野浅夫、山村聰などで、高城は芳村の恋人役で、(おそらく)初めてポスターに名前が載っている。
62年は出演記録はなく、63年の大蔵映画「社長と女秘書 全国民謡合戦」にその名がある。監督は新東宝社長だった大蔵貢の実弟である近江俊郎(本名・大蔵敏彦)で、主演の社長役が佐山俊二。内容はタイトル通り、佐山と女秘書(一条美也子、扇町京子)が全国の民謡を聞いて回るといったもののようだ。「赤胴鈴之助」で知られる梅若正二が社員役で出演している。「鈴之助」で増長し、8作目には役を降ろされてしまったのは有名。他には役名なしで島倉千代子、白根一男、コロムビア・トップ、そして高城などの名前が並んでいる。恐らく、民謡を披露する歌手として出演しているのではないだろうか。コロムビア・トップ/ライトのレコードは出ているようだが、ここでは司会者みたいな役だろうか。相方のライトは出演していないようだが、コンビ仲が悪いことで有名だった。そう噂されるコンビは多いが、この二人はガチで仲が悪かったと言われている。

63年、東映制作の連続ドラマ「孤独の賭け」に出演している。
原作は五味川純平の小説で、60年代初頭の東京で政財界を舞台に繰り広げられる愛憎劇である。主演は天知茂で青年実業家千種を演じる。ヒロインの乾百子に小川真由美で、同居人の乾美香が野川由美子。姉妹ではなく従姉妹という設定のようだ。百子の自殺した兄の友人・蒔田を演じるのが高城である。他に星美智子、三条美紀、八木昌子、渡辺文雄、高倉みゆき、宮園純子などで半年間にわたって放送された。本作以降、天知が主演するドラマに高城が出るケースが多くなる。また、本作は65年に映画化、78年にドラマ版がリメイクされているが、主役の千種はいずれも天知が演じている。
「孤独の賭け」が終了した翌週にスタートしたのが「廃墟の唇」だ。黒岩重吾原作のサスペンスで、こちらも天知の主演である。共演が緑魔子、上月左知子、野川由美子、加藤治子、沢たまき、そして高城も服部という役で出演している。本作でデビューしたのが天知の付き人をしていた宮口二朗で、天知を狙う殺し屋の役だった。本作は63年に大映で映画化されているがタイトルは「黒の駐車場」で、こちらは田宮二郎、藤由紀子という後に夫婦となるコンビの主演であった。

こうして東映に縁ができたからか高城は、高倉健主演のアクション映画「ならず者」に出演している。監督は石井輝男で、香港、マカオでロケを敢行した。共演は丹波哲郎、杉浦直樹、江原真二郎、三原葉子、加賀まりこ、南田洋子などである。
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投稿を表示高城丈二って、テレビドラマで「ザ・ボディガード」や天知茂の出てた復讐もの、
そして「大都会PARTⅡ」なでに出てましたね。
ダンディでキザな役が印象的で、このような俳優はもういなくなりました。
履歴みたら大阪・北野高校出身で、かしこ~