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私の好きな映画

tetsu8
2023/12/08 16:54

篠田三郎の出演映画 その3

もう1回、篠田三郎である。


大映が倒産し、72年は「熱血!猿飛佐助」などテレビが活動の中心となった篠田だが、映画にも出演している。72年はATGの「哥」の主演を務めている。ATGはアート・シアター・ギルドの略。まあ低予算で芸術性の高い映画を作ることを目指した会社という感じであろうか。「哥」は「歌」の異体字なので、「うた」と読む。監督はウルトラマンシリーズでもお馴染みの実相寺昭雄。「ウルトラマン」では「怪獣墓場」「空からの贈り物」、「ウルトラセブン」では「狙われた街」「第四惑星の悪夢」といった他の回とは違った演出、妙なアングルで子供心にも強い印象を残した個人的に好きな監督だった。
篠田が出演していた「シルバー仮面」でも監督を務めていた。桜井浩子、岸田森、原保美なども「ウルトラシリーズ」や「怪奇大作戦」といった実相寺関わった円谷プロ作品に出演していたメンバーだ。他にも篠田が大映時代によく共演していた八並映子や田村亮、内田良平、東野英心、毛利菊枝、そして嵐寛寿郎などが出演している。


そして篠田は、73年「ウルトラマンタロウ」の主演・東光太郎役に抜擢された。これはプロデューサー(橋本洋二)繋がりだといえる。自分は子供の頃から何故か子供に媚びた作品が嫌いで、タロウもあまりにも子供向け過ぎると思い好きにはなれなかった。やたらとウルトラ兄弟が登場したイメージもある。篠田は黒部進、森次晃嗣、団次郎、高峰圭司といったウルトラマン役者とは違い、後続のウルトラシリーズに客演したことが一度もない。別に黒歴史化しているわけではなく、「よき思い出としてとっておきたい」との考えから出演しないそうである。年齢を重ねた光太郎は見せたくないということろうか。ただ「タロウ」に関するインタビュー等には普通に答えている。

 

「タロウ」に続いて「若い!先生」(74年)でも主演の高校教師を務めた。「刑事くん」2部と3部の間に放送された30分ドラマだが、一度も見たことがない。水沢アキ、坂口良子、小坂一也、名古屋章、中条静夫、小林千登勢などが共演者である。
 

この頃、出演した映画が「あさき夢みし」。「哥」と同じく制作はATGで監督は実相寺昭雄である。今回の篠田は「庶民の男」役なので、顔見せ的な出演のようだ。主演はジャネット八田、花ノ本寿で、他に寺田農、岸田森、丹阿弥弥津子、原知佐子、小松方正、毒蝮三太夫、三条泰子、天田俊明、高野浩幸、広瀬昌助、柴俊夫といった実相寺作品にはよく出演している顔ぶれが多い。

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