今年の「フランス映画と女たち」特集 9/14「海賊のフィアンセ」の上演
◆はじめに
今年の東京日仏学院の「フランス映画と女たち Part.3」では、昨年「フランス映画と女たち Part 2」でご紹介したネリー・カプランの「海賊のフィアンセ」について、9/14の1日だけ上演の機会があるので、ご紹介する。上演後のトークも予定されている。
◆◆[海賊のフィアンセ(La Fiancee du Pirate)](1969)
シュルレアリスト、アベル・ガンスの共同制作者としても知られる女性監督ネリー・カプランによる「現代の魔女狩りの物語」。田舎で周囲の者たちから搾取され続けてきたマリーは、売春によるこれまでの復讐を企てるという、武勇伝のお話になる。主演のマリーはベルナデット・ラフォンで、男性俳優には、ベルモンド映画によく登場するジュリアン・ギヨマール、ミシェル・コンスタンタンが登場し親しみがわく。特にミシェルは感じよい紳士役として登場する。また有名なルイ・マル(監督)も端役で登場し、見ごたえがある。

◆水々しいバルバラのシャンソンで小気味良い
日本でもあまり歌われない様に思われるが、バルバラの楽譜集には含まれる「Moi, je me balance」というシャンソンが使用され、売春を行う際にも、レコードから、軽やかなバックミュージックとして流され、主人公が、自由気ままに行動できている様子が伺われ、聴いていて心地良い。アップテンポなので歌いにくいところもあるが、ジョルジュ・ムスタキの曲として、レパートリー曲としても練習した。
◆本作品の感想
ベルナデット・ラフォンは、まずしいジプシーの娘として暮らしていたが、どんどんリッチになり洋服も洗練されたものを着る様になり、美しくなっていく。家財道具などもそろえ、ポップな色合いで楽しそうに暮らすようになった。村人との諍いはエスカレートしても、そんなの気にしない。したたかといっても、老人や貧乏人まともな実業家の紳士にはちゃんとふるまっているのが立派。
◆関連の投稿
・フランス映画と女たち特集から 「海賊のフィアンセ(La Fiancee du Pirate)」のご紹介
https://community.discas.net/announcements/6bztnihnn6nhpffy