進め!ジャガーズ 敵前上陸
GSのザ・ジャガーズの主演映画は1本だけ存在する。「進め!ジャガーズ敵前上陸」(68年)である。ヴィレッジ・シンガース、パープル・シャドウズの映画と同じ松竹の製作なのだが、テイストは全然違う。
純粋な青春ラブストーリーで藤岡弘の友人といった立ち位置だった前者に比べ、ブラックコメディといった感じの本作のジャガーズは主演と言って差し支えないないだろう。ただ、ポスターでのトップは中村晃子だった。
ザ・ジャガーズは6人組で、67年6月に「君に会いたい」でレコードデビュー。続く「ダンシング・ロンリーナイト」「マドモアゼル・ブルース」もヒットし、人気グループとなっていった。中でもヴォーカルの岡本信は甘いマスクで人気だった。しかし、他メンバーに関しては知らない人も多いのではないだろうか。
リーダーは宮ユキオ(ドラムス)で、レコードデビュー時は既に29歳であった。ちなみに岡本は10歳以上離れた18歳。他は沖津ひさゆき(リードギター)、森田巳木夫(ベース)、宮崎こういち(サイドギター)、佐藤安治(キーボード)。映画はこの6人で出演しているが、公開された68年3月にリーダーの宮が脱退。グループ内で内紛があったらしい。代わりに浜野たけし(ドラムス)が加入している。
ヒロイン役は前述の中村晃子。65年に歌手デビューし、当初はパッとしなかったが、67年に出した「虹色の湖」が大ヒットする。本作でもジャガーズの演奏で「虹色の湖」を歌唱するシーンがある。62年高校在学中に松竹にスカウトされ、64年に正式契約。チョイ役ではあったが63年頃から映画には出演していた。
もう一人のヒロインはヴィレッジ・シンガース、パープル・シャドウズの映画でもヒロインを務めた尾崎奈々である。彼女は、内田良平のマネージャーにスカウトされ、日活、東映いずれのカメラテストにも合格。結局入社したのは、最後に受けた松竹だった。人気ドラマ「お嫁さん」および吉永小百合が主演した「娘たちはいま」に出演して、映画よりもテレビで先に注目されていたのである。ちなみに「お嫁さん」の主演だった東山明美も本作ではスチュワーデス役で顔尾出している。
他の注目点としては、てんぷくトリオの3人が出演しているところか。三波伸介、戸塚睦夫、伊東四朗によるお笑いトリオだが、戸塚が73年に42歳の若さで病死。三波も82年に52歳で亡くなっている。残った伊東は現在も活躍中だが、三人揃っている映画は少ないので貴重かもしれない。ただし、本作では伊東はジャガーズの仲間だが、戸塚と三波は彼らを狙う悪役である。
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投稿を表示コメントありがとうございます。反応が遅くてすいません。
小林信彦(中原弓彦)は、映画の脚本って少ないですよね。関連では、NHK少年ドラマシリーズの「怪人オヨヨ」を見た記憶があります。
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投稿を表示GSをよく知っている世代です。こういう作品を取り上げてくれて嬉しいです!ジャガーズ、曲良かったですもん。
ちなみにこの映画の脚本、お笑い好きにとっての名著「日本の喜劇人」の作者 中原弓彦であり、現在は作家である小林信彦が書いているんですよね。ちなみに、テレビ史に残るギャグ番組 日本テレビの「ゲバゲバ90分」の「ゲバゲバ」というタイトルは中原弓彦(小林信彦)のアイデアだったそうです。あ、どうでもよかったですね・・・失礼しました~!