誠直也の出演映画
70年代青春スターシリーズ。今回から誠直也である。
「ファイヤーマン」「秘密戦隊ゴレンジャー」など宮内洋同様テレビヒーロー役者のイメージも強いが、結構映画出演も多い。堅物そうな外見だが、学生時代は破天荒な生活を送っていたようである。
誠直也は48年佐賀県生まれで本名は古川誠剛という。福岡電波高校(現・福岡工大城東)時代はラグビー部の主将として全国大会優勝の経験を持つ。しかし、半月板を損傷しラグビーを断念する。目標を失った形で法政大学に進学したが、ある日スロットゲームの機械を見て、それをリース会社から借りてスナックやバーに置く仕事を始めた。それが大当たりし、学生ながら月収300万を稼ぎ、高級車を手に入れたり、銀座で飲み歩いたりしていたという。
そんな生活を4年生になるとピタリと辞めて、卒業にこぎつけた。就職も決まっていたのだが、そんな時に居酒屋で知り合いだった映画関係者にばったりと出会い、役者にならないかと勧められる。ガラじゃないし、興味もなかったが、本人曰く酔った勢いでOKしてしまったという。そして就職はせず、71年に役者としてデビューするのである。劇団はもちろん、演劇部の経験も全くなしでありながら、すぐに仕事に恵まれたという。
デビュー作は東映の「現代やくざ 血桜三兄弟」である。菅原文太主演のシリーズものだ。共演は伊吹吾郎、渡瀬恒彦、荒木一郎、小池朝雄らで、悪役に河津清三郎、名和宏、藤山浩二など。誠直也は三郎という役名だが、どういう役かは未見なので不明である。タイトルは三兄弟だが、設定では文太と伊吹が実の兄弟。あらすじで最後は渡瀬、荒木を加えた四人で殴り込みをかけるというので、三兄弟って誰を指す?と思ってしまった(おそらく荒木以外の三人だろう)。
71年は他にも「不良番長 突撃一番」「新網走番外地 吹雪の大脱走」といった東映の人気シリーズにチョイ役ではあるが、顔を出している。
72年になると前作で顔を出したのが利いたかのかシリーズ14弾「不良番長 のら犬機動隊」では、カポネ団の一人(バクダン)に抜擢されたのである。梅宮辰夫、山城新伍、藤竜也、峰岸徹(当時・隆之介)らに混じった無名の新人といった感じであろうか。本作は後に「仮面ライダーアマゾン」となる岡崎徹の映画デビュー作で、彼もカポネ団員に抜擢されている。ちなみに通称「ゴーカン」である。
続く15弾「不良番長 一網打尽」にも誠は出演。今回は梅宮演じる神坂のダチという設定だが、すぐに殺されてしまうようだ。岡崎は本作でもカポネ団員で、通称は「金庫」である。