祝!新作「首」公開記念。北野武監督全作品ショートレビュー集 後半 ついに!
北野武監督作品 ショートレビュー 後半!
第10作品目 Dolls・・・「滅」
2002年公開
この作品を観終わった時に、互いの「気持ち」ってわかっているの?と 北野監督から突きつけられた。ストーリーは近松門左衛門作の「冥途の飛脚」(めいどのひきゃく)人形浄瑠璃の演目のひとつをモチーフとした男女3組によるそれぞれの悲哀をあらわした。これまでのバイオレンス作品よりも「残酷な現実」を感じる。 月夜の晩、余韻に浸れます。
第11作品目 座頭市・・・「祭」
2003年公開
初の時代劇で誰もが知っている作品。
劇場で観た時の「圧倒感」と「高揚感」は本来のエンターテインメントとしての「映画の魅力」が詰まっていた。後半の見せどころはタップシーン。そのタップダンスの練習を一番していた監督が出演していないエピソードもこのシーンを際立たせた。 最高!下駄タップ。敵役の浅野忠信は時代劇映えする。
第12作品目 TAKESHIS'・・・「混」
2005年公開
北野監督が対談の時に話す「振りの子理論」を映画化した作品。夢と現実 もう一人の自分がいたら 長年芸能界の身を置く監督の現実逃避的創造から生み出した映像のためわかりにくい。まさにカオス(混沌)。この作品は好きでも嫌いでもない 第三の感覚を持たせる。
第13作目監督・ばんざい!・・・「壊」
2007年公開
「自分の撮りたい映画」がテーマで自らの映画監督の歩みを破壊した。
ストーリーも前半は自虐的なショートフィルム仕立てであるが中には続きが観たくなる作品もあった。ショートながら豪華な演者。高い肉を安いタレで食べてしまうアンバランスを感じた。後半は江守徹をおもちゃにした。
監督はラーメン屋が好きみたい、そして乱闘。映画版のお笑いウルトラクイズ。
ショートフィルム「素晴らしき休日」
それぞれのシネマ ~カンヌ国際映画祭60回記念製作映画~2007年 公開。
カンヌ国際映画祭60回記念の特別企画。世界の映画監督35人の1人に北野監督が選ばれた。
テーマは“劇場”とした3分間のショートムービー。シュールながら俯瞰の映像は北野流を感じる。
このショートフィルム作品は「キッズリターン」を観ておくと2倍楽しめる。主演にキッズリターンの林役のモロ師岡が休日に田舎の映画館を訪れるが何かとツいていない客を演じる。
※監督・ばんざい!に収録されている。
第14作品目 アキレスと亀・・・「帽」
2008年公開
アキレスと亀はゼノンのパラドックス(足の速いアキレスが足の遅い亀に永遠に追い越せない数学的な逆説)と芸術の人によって評価が変わる「不確実」さを屁理屈で正当化してしまう。
その関係性を生涯、芸術という魔物に取り憑かれた「倉持真知寿」を健気に支える妻、幸子を描いた作品。キーアイテムはベレー帽。たけし軍団の演技がピカイチ、妻役のキャスティングが素晴らしい。
第15作品目 アウトレイジ・・・「裏」
2010年公開
善人、仁義のない世界観。北村総一朗を会長、三浦友和を若頭、武闘派役の椎名桔平、リアルなインテリ風なやくざの加瀬亮・・・絶妙なキャスティング。同じやくざ映画のソナチネやBROTHERは死に場所探しの破滅型やくざだったがアウトレイジはいかに生き残るかを模索していた。人間は欲望を満たすためには何でもする。 お互いを牽制し、だまし、だまされ、怨念、執念、権力と金。
徹底的に他人をつかい自らは手を汚さない悪人、体をはる悪人それを客観的に見てバカにしている悪人、親分に忠実な悪人、金を巻き上げる悪人。裏社会の物語であるが一般社会の縮図と被る。
第16作品目 アウトレイジビヨンド・・・「激」
2012年公開
前作、アウトレイジも 豪華な演者だったが、ビヨンドではさらに豪華になった。
西田敏行、塩見三省が強烈なインパクトを残し、無言のヒットマンに高橋克典。
山王会と花菱組との抗争、関東弁✖関西弁の激高、大友の後ろ盾をする謎の国際的なフィクサーと悪が交差する。前作ですべてを失った大友と木村の共闘に感情移入する。一番悪いのはやくざを手玉にする公務員かもしれない。
第17作品目 龍三と7人の子分・・・「高」
2014年公開
アウトレイジと同じヤクザ物であるが今回は年老いたやくざと半グレとのいざこざ物語。
藤竜也、近藤正臣がただ一緒に歩くシーンだけで金がとれる可笑しさ。蕎麦屋での他の客が「なにを食べるのか」をかけるシーンと中尾彬の扱いがたまらなく笑ってしまう。北野作品をまだ観ていない方へ入門編的な作品。
第18作品目 アウトレイジ最終章・・・「暴」
2017年公開
前作アウトレイジビヨンドの衝撃的なラストシーンをみると次回作もあるかも!との期待感が5年後に実り続編が観られた。山王会は花菱の配下になり花菱も内部抗争そして国際的なフィクサーとの全面戦争状態。
大友のけじめととれる行動が暴走暴発する。アウトレイジシリーズの伏線をすべて回収しまさに最終章の内容。
原作・原案 提供
アナログ(原作)
令和5年(2023年)10月6日より絶賛公開中。
キッズ・リターン 再会の時 (原案)
青春映画の金字塔『キッズ・リターン』の続編。シンジはボクシング、マサルはヤクザの道を選び、別々の世界で頂点を目指すが、越えられない壁にぶつかり、うだつの上がらない毎日を過ごしていた。高校を卒業して10年、ふたりは偶然再会し…。(TSUTAYA DISCASより引用)
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投稿を表示そっかぁ、6年ぶりなんですねー!!
北野作品、実はあまり観てないんです。でもすたみなさんが、沢山紹介されていて『首』が凄く気になり始めてるんですよねー。どうしましょ笑
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投稿を表示首までの煽りとして最高な記事ですね!
否が応でも期待値が爆上がりしてしまいますね。アナログも高評価ですし!
あとは公開日を待つだけですね
ショートレビューも熱量高く読み応えがありました!これからも応援しています
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投稿を表示どうしても前半の作品の方がインパクトあって世間的には知られてますけど、後半も素晴らしい作品ばかりですからね!すたみなさんのコラムを皆さんに読んで理解して頂きたいですよ!!
アナログとキッズリターン再会は観なければ!!全作品セットで売ってくれないかなぁ、高そうだけど😅
さぁついに「首」公開まで1ヶ月切りましたね!!試写会あったらしいですけど、あまりレビューとか見ないようにしよう😊
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