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tetsu8
2025/01/03 18:06

堺正章の出演映画 その3

もう一度、堺正章である。

68年もスパイダースの勢いは止まらす、やはり日活にてザ・スパイダースの大進撃」「ザ・スパイダースの大騒動」「ザ・スパイダースのバリ島珍道中と彼らが主演の映画が三本制作されている。それ以外では松竹とホリプロ制作の想い出の指輪に出演。これは後輩GSであるヴィレッジ・シンガースが主演の映画だ。
 

そして、スパイダースの主演映画としては最終作となる東宝のにっぽん親不孝時代がある。タイトルにスパイダースがないのは、本人設定ではなく個別に役名がついているからだろうか(パッケージにはザ・スパイダースの文字があるが本編にはない)。田辺昭知かまやつひろしは後から合流する展開なので、OPは堺がドラムを叩き、映像上は五人で演奏している。この「親不孝で行こう」という曲は何故か音源化されていないので、本作でしか聞けないのである。堺の実父である堺駿二井上順の父親役で出演(堺の父親役は藤村有弘、当時34歳)しているが、本作公開前の8月に54歳で急逝。本作が遺作となり、もちろん最後の親子共演となった(ほとんど絡みはない)。
 

69年になるとGS自体が下火になり始め、スパイダースもシングルは2枚のみ。映画に関しては主演作はもちろん、ゲスト出演の映画もなかった。唯一堺が「ザ・テンプターズ涙の後に微笑みを」に白髭の神様役で特別出演しているのみである。

70年、堺がドラマ時間ですよにレギュラー出演することになったのをきっかけに、メンバーのソロ活動が優先されるようになった。リーダーの田辺は、マネジメントに専念するため現役を引退(前田富雄が加入)し、かまやつも脱退を宣言し、年内での解散が決まった。ちなみにラストシングルは「エレクトリックばあちゃん」で、子供の頃よく耳にした気がするが、ヒットはしてなかったらしい。

 

70~71年にかけてだが、血筋といのだろうか堺は東宝のコメディ映画4本で主演を務めている。
まずは喜劇ドッキリ大逃走(70年)。資料の少ない映画のようで、ウィキペディアには日活となっていたりするが、東宝(東京映画)の制作である。本作には相方の井上順も出演。ただし当時は井上順之(じゅんじ)を名乗っていた。しかし「じ」を付けたら「痔」になったという理由で、短期間で元に戻している。共演は大矢茂、范文雀、てんぷくトリオなど。大矢茂は加山雄三率いるザ・ランチャーズのギタリストであったが、70年になると単独で若大将シリーズ等に顔を出し始め、年明け71年の若大将対青大将では二代目若大将に指名までされているのだ。しかし彼単独の若大将が制作されることはなく、75年に三代目の草刈正雄が登場する。「ドッキリ大逃走」のもう一つの見どころはてんぷくトリオ(三波伸介、戸塚睦夫、伊東四朗)の出演だ、戸塚が早くに亡くなった為、三人揃っての映画出演はほとんどないのである。


喜劇 右むけェ左!」は、70年の大晦日が公開日となっているので、翌71年の正月映画ということだろう。本作に関しては犬塚弘が主役のサラリーマン係長で、その部下(堺、田辺靖雄、なべおさみ、大橋壮多)と自衛隊に体験入隊するというお話。自衛隊の教官役で井上順と左とん平が登場、他に小松政夫、島かおり、吉沢京子、山東昭子、いかりや長介など。犬塚は大映での主演作はあったが、クレージー映画のお膝元である東宝での単独出演自体が珍しい。大橋壮多はちょいデブの役者(本作での役名は太井)で、時代劇出演が多い。たまに善人もあるが悪役の方が多く特に「必殺シリーズ」での悪役が印象に深い。併映は植木等、加藤茶が主演の日本一のワルノリ男

 

年明け71年、スパイダースも正式に解散し、名実ソロになった堺だが、前述のとおりナベプロ制作作品の主演が続く。
 

喜劇昨日の敵は今日も敵」では、堺のソロデビューシングルである「さらば恋人」が挿入歌として使用されるが、おそらくこれが堺の最大ヒット曲であると思われる。共演はなべおさみ、吉沢京子、小松政夫、田辺靖雄、大橋壮多、いかりや長介など前述の「右むけェ左」と同じ顔ぶれが多く、小松や大橋は役名も一緒である。他に紀比呂子、范文雀、平田昭彦、大泉滉などで、布施明、ゴールデンハーフが歌のゲスト的に出演。併映は植木等、加藤茶主演の「だまされてもらいます」。
 

起きて転んでまた起きて」は71年の大晦日公開。堺、なべ、吉沢京子、小松政夫、いかりや長介等に加え、安倍律子、大原麗子、桑原幸子、和田浩治などが出演している。併映の「日本一のショック男」はクレージー映画の最終作だが、やはり主演は植木と加藤茶でハナ肇、桜井センリは出演していない。

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