ちょっとドキドキしながらも、じっくり魅入ってしまう
春画の魅力がたっぷり詰まった、現在公開中の映画「春画先生」ご覧になりましたか？

 

春画先生のコラムはこちら「そのストッパー、外しちゃってもいいですか？」

 

「春画先生」を観てからというもの
着物時代の作品が無性に観たくなる今日このごろ。

 

ということで、今回は、
華やかな和装がでてくる、お気に入りの「花魁・芸者作品」を３つご紹介

 

鑑賞前に知っておくと、より一層映画が楽しめる豆知識と合わせてご覧ください

まなざしひとつで男を落としてみな

「SAYURI」　
2005年公開　146分　
監督：ロブ・マーシャル
脚本：ロビン・スウィコード
原作：アーサー・ゴールデン
キャスト：チャン・ツィイー
   渡辺謙
   ミシェル・ヨー
   コン・リー
   桃井かおり

 

【置屋に売られた少女が、人気芸者になるまでの成長と、初恋を描いた物語】

 

💡映画が深まる豆知識「芸者と花魁の違い」

 

芸者と花魁は、どちらも華やかな着物に身を包んでいるため、
一色淡にされがちですが、販売する商品が全く違うことをご存じでしょうか？

 

芸者：踊りや楽器演奏などの芸を売る女性
花魁：身体だけでなく、身体も含めた「理想の恋愛」を売る女性

（諸説あり）

 

本作の主人公SAYURIは「芸者」

踊りや三味線などの、芸に磨きをかけていく女性の成長物語となっています

🐈ここミロポイント🐾

 

置屋で奴隷のように働く主人公が、あることをきっかけに
「一流の芸者になりたい！」と一生懸命稽古をつけ、奮闘していく描写は
スピード感と、夢を追いかけるわくわく感でリズミカルに演出されていて躍動感満載

 

ラブストーリーでもありますが、サクセスストーリー的な要素も強く、
困難にぶつかりながらも、目標に向かって頑張る姿がとても凛々しく、元気をもらえます

和でしたたかな雰囲気がありつつも、主人公の意思の強さがずっしりと伝わってくる
巨匠ジョン・ウィリアムズにより手掛けられたテーマ曲もとってもカッコいいので必聴。

 

 

コンコン、コンコン

「みをつくし料理帖」　
2020年公開　131分　
監督・脚本：角川春樹
原作：髙田郁
キャスト：松本穂香
   奈緒
   若村麻由美
   浅野温子
   窪塚洋介

 

 

【一人は料理人の道、もう一人は花魁の道へと進んだ2人の少女の友情物語】

💡映画が深まる豆知識「花魁の階級制度」

 

花魁と一言にいっても、階級別で呼び名がわかれており
階級が上になるほど、食事や着物など、待遇が良くなっていく仕組みだったそうです

 

１、太夫　たゆう　★主人公の親友はココ
２、格子　こうし
３、局　つぼね
４、端　はし
５、切見世　きりみせ

 

太夫ともなるとすぐに会えるわけじゃなく、
何度も何度もそのお店に通い、沢山お金を落としてから
ようやく太夫との食事にありつけたそう

 

本作での主人公の親友は、最上級花魁である太夫ということで、そうそう簡単に会えなかったというのが物語のミソとなっています

 

🐈ここミロポイント🐾

 

タイトルに「料理帖」とあるとおり、出てくるお料理が本当にどれもおいしそうで、よだれもの。

 

特に「とろとろ茶わん蒸し」はぜひとも頂いてみたい。。
鑑賞後、和食をじっくり味わいたくなる作品

 

なかなか姿を目にできない太夫へ、メッセージを込めた料理を届ける主人公のあたたかい友情にも
涙がほろり

 

全く違う道へと進むこととなった二人の、お互いを想い合う美しい物語、ぜひご覧ください

 

 

気をやったのは、あんたがはじめてだよ

「花宵道中」　
2014年公開　102分　
監督：豊島圭介
脚本：鴨義信
原作：宮木あや子
キャスト：安達祐実
   淵上泰史
   友近
   高岡早紀
   小篠恵奈

【花魁の「哀しい初恋」を描いた物語】

💡映画が深まる豆知識「花魁の身請け金」

 

身請け金とは、ひとことで言うと、花魁と結婚するために必要なお金のこと

 

男性が花魁を気に入り、自分だけのものにしたいと願ったら
莫大な「身請け金」というものを支払うことで、彼女と結婚できる権利が得られたのだそう

 

ただこの身請け金、お店の大事な商売道具である花魁を手放す（販売する）ということを
意味しており、花魁の見込み売上額を十分にカバーした金額設定に
なっていたことから、一般人にはとても手がだせない額だったとか

 

最高級花魁の太夫の身請け金は、今でいうところの億単位だったとも。

 

庶民と花魁との恋には、大きな障害があったことが伺えます

 

🐈ここミロポイント🐾

 

切ない恋物語がお好きな方にはぜひオススメしたい作品

 

沢山の男性の相手をしてきても全く惚れたことがなかった花魁が、初めて恋におちる
という、とてもピュアな物語ながらも、
途中、目を逸らしたくなるように辛く、過激なシーンがあったりで、
体当たりで演じられた安達祐実さんの演技から目が離せません

 

花魁という職業ならではの、ひとときの夢と儚く散った恋物語

しっぽりしたい時にどうぞ

 

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