篠田三郎の出演映画
70年代青春スターシリーズ。今回は篠田三郎である。「ウルトラマンタロウ」「二人の事件簿」など主演ドラマも多く、テレビでの印象が強いと思うが、元々は大映の第18期ニューフェイス出身である。
本名は大塚晴生で、アニメーターの大塚康生とよく似ているが特に関係はない。65年、高校在学中に大映と東宝のニューフェースを受け、東宝は落ちたが大映には合格。高校(日大二高)は学校の方針もあり中退となり、16歳で大映の養成所に入所した。同期は笠原玲子、津山由起子、福原真理子、水木正子など。
翌66年、若尾文子主演の「雁」で映画デビュー。役柄は「酒屋の小僧」で、同期の笠原、津山、福原も出演していた。60年代は大部屋俳優として過ごし、端役ばかりであった。「赤い天使」(66年)、「砂糖菓子が壊れる時」(67年)、「不信のとき」(68年)はいずれも若尾文子の主演で、篠田はホテルのボーイ、社員といった具合だ。
70年、江波杏子主演の「女賭博師壺くらべ」で(おそらく初めて)役名のある役を貰っている。なお、本作には丸山明宏(美輪明宏)や園井啓介なども出演している。
そして「高校生番長」で、初のメインキャストとなっている。約4年に及ぶ下積みがあったわけである。タイトルである「番長」が篠田なのだが、クレジット順は4番手で、主演扱いは南美川洋子である。新人の成瀬亜紀子、八並映子が続いている。成瀬と八波は大映では最後となる第20期のニューフェイスだ。
他に小倉一郎、小野川公三郎、笠原玲子などである。篠田は全日制の番長だが、小野川は定時制の番長格という役柄だ。小野川は後に「トリプルファイター」のレッドファイター役で知られるようになる。なお、本格デビュー前の関根恵子(高橋惠子)がノンクレジットで顔を見せている。
以降の篠田は高校生シリーズのメインとして活躍するようになる。
「十代の妊娠」(70年)も主演は南美川洋子で八並映子、八代順子が同級生の役。篠田はガリ勉の役だが、ヒロインである南美川を乱暴して妊娠させてしまうという役だ。他に川崎あかね、青山良彦、小野川公三郎、伊吹新吾(伊吹剛)、丘夏子といった若手に加え、加藤嘉、田武謙三、伊達三郎、木村元といったベテラン勢も登場する。
ちなみに、青山は16期、八代は19期、川崎と丘は京都5期(19期と同期)、伊吹は京都6期(20期と同期)のニューフェイスだ。伊吹は後に「Gメン75」で有名となるが、篠田は直ぐに終わった「Gメン82」に出演している。
「高校生ブルース」(70年)は、水谷豊で少し触れているが、主演予定だった南美川洋子が降板したことから中学を卒業して入社したばかり(つまり15歳)の関根恵子が代役主演に抜擢され、衝撃的なデビューを飾ったのである。相手役が内田喜郎で、篠田は不良の役。八並映子、小野川公三郎、成瀬亜紀子らが同級生役で、堀雄二や伊藤幸子なども出演している。松坂慶子がノンクレジットで出演しているという情報もある。