Discover us

私の好きな映画

tetsu8
2023/12/28 17:36

藤岡弘の出演映画  その3

引き続き、藤岡弘の松竹時代を追いかける。

 

67年は「宇宙大怪獣ギララ」以来の映画出演となったのが10月公開の「また逢う日まで 恋人の泉」である。これは三田明のシングル曲のタイトル二つを繋げたもの。つまり三田明本人が主演の歌謡映画である。「また逢う日まで」といえば、尾崎紀世彦の大ヒット曲を思い浮かべる人が多いかと思うが、こちらとは同タイトルの別曲である。
竹脇無我、三田明、和崎俊也、砂塚秀夫、藤岡弘が演じる勤労青年五人組のバンドが「ザ・ファイブ・ドリンカーズ」である。五人で買った宝くじで二百万(当時としては超大金)があたり、仲たがいが起こり、和崎、砂塚、藤岡が去り、竹脇と三田だけが残る。二人は別々に知り合った鮎川いずみに恋をするが、それを知った鮎川は二人の前から去ろうとするが二人は引き止める。そんな時、砂塚がヤクザとのケンカで重傷を負い、他の四人が駆け付けるが彼は息を引き取った。残った四人はバンドを再結成する、というようなストーリーのようだが、当時のポスターでは三田の両側に鮎川と早瀬久美で、「恋人が二人⁈ 三田・早瀬・鮎川の初恋騒動」というコピーが添えられている。あらすじでは早瀬久美(の役)に関しては書かれてないし、三角関係になるのは竹脇・三田・鮎川である。どっちが正解?という感じである。他の出演者は尾崎奈々、西尾三枝子、松山省二、園井啓介、石山健二郎、寺尾聰が在籍したザ・サベージなどである。この時期だと寺尾は脱退していると思われる。

 

68年の藤岡弘最初の出演映画は「ミニミニ突撃隊」だ。西野バレエ団の五人娘である「レ・ガールズ」が主役の映画である。メンバーは金井克子、由美かおる、原田糸子、奈美悦子、江美早苗の五人だ。当時の年齢は金井は22歳だったが、原田は19歳、後の三人は17歳である。三人が実年齢では高校生だったのだが、本作では全員女子大生の役で、全員が寮に住んでいる。由美、原田、奈美の三人が寮を抜け出しゴーゴー喫茶で三人の若者と知り合う。それが石立和男、山本紀彦、藤岡弘で、石立と由美、奈美と山本、原田と藤岡というペアになる。一方、その三人を探しに行った金井は入川保則と知り合うことになる。
当初レ・ガールズは四人であり、江美はこの時点では加入してまもなかったこともあってか、一人はハブられた形になっている。石立鉄男はまだブレイク前のアフロヘアーではない二枚目で、その石立ドラマの常連となる山本紀彦とこの時点で共演していたわけである。ちなみにポスターに山本の名はない。入川保則は悪役のイメージが強いが、松竹映画では二枚目役も多かった。
 

ここから約半年、藤岡の出演作品はなかったようだが、9月15日公開の二作品両方に藤岡が出演している。
まずは「初恋宣言」だが、こちらも前述のレ・ガールズが主演の作品である。ただし、金井克子は未出演で、代わりに六人目の志摩ゆきが参加している。メンバーでも主役は由美かおるで、江美早苗が準主役的な役柄に格上げされている。
志摩ゆきは彼女たちの番組「レ・ガールズ」にも登場したが、まもなく番組が終了してしまったため、ほとんど認知されなかったようだが、70年にソロ歌手としてデビューを果たしている。翌71年には上条恒彦と六文銭に参加し、「出発の歌」という大ヒット曲が出ている。その際は四角佳子名義だったようだ。翌72年に吉田拓郎と結婚し引退。拓郎と言えば、浅田美代子、森下愛子のイメージだが、最初の妻は志摩ゆきだった人なのである。ちなみに彼女は2000年に活動を再開している。
話が大きく逸れたが、由美の相手役は田村正和で、他の出演者はミヤコ蝶々、千昌夫、コント55号などで、藤岡の役柄については未見なので不明だ。

そして、当日公開のもう1本が「小さなスナック」パープル・シャドウズのヒット曲を元にした本人たちも出演の歌謡映画で、ポスター上でも彼らの名がトップだが、主演は藤岡弘と尾崎奈々である。

「小さなスナック」という歌は知っていても、パープル・シャドウズのメンバー個々につて知らない人も多いのではないだろうか。結成は65年で、その時は「ザ・バーズ」という名前だったらしい。それだとアメリカで「ミスター・タンブリンマン」などのヒットを飛ばしているグループと同じになってしまうのだが。改名は67年で、レコードデビューは68年3月。そのデビュー曲が「小さなスナック」だったのである。
メンバーについてだが、リーダーでリードギターが今井久、サイドギターが綿引則史、ベースが川合良和、ドラムスが大場吉雄である。当初は4人編成で、映画でも4人組だが、69年にキーボード担当の岡村右が加わっている。
映画の内容だが、簡単に言えば青春ラブストーリーで、他の出演者は清水将夫、高橋昌也、山田真二、斎藤チヤ子、ケン・サンダース、石井伊吉(毒蝮三太夫)などで、ジュディ・オングやヴィレッジ・シンガースも歌のゲスト的な感じで出演している。

コメントする