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私の好きな映画

tetsu8
2024/09/19 00:47

岸田森の出演映画

今回からは岸田森である。

我々世代には怪奇大作戦」「帰ってきたウルトラマン」「ファイヤーマンといった円谷作品や傷だらけの天使などで子供の頃から馴染みのあるバイブレイヤーだったが、亡くなって既に40年が経過している。前述の様にテレビでの活躍が印象に深いが、勿論映画にも数多く出演している。
 

岸田森は39年生まれ。本名である。父・虎二は劇作家・岸田國士の弟で、國士の娘が岸田今日子だ。顔立ちと体形から長身のイメージだが、169cmと意外に小柄である。
61年に文学座付属演技研究所に1期生として入団。同期に小川真由美、橋爪功、北村総一朗、草野大悟、寺田農、悠木千帆(樹木希林)らがいた。

62年からテレビドラマに出演するようになり、映画出演も同年東宝の放浪記が最初のようである。森光子の舞台版が有名だが、映画版の主演は高峰秀子。他に田中絹代、加東大介、宝田明、仲谷昇、草笛光子、小林桂樹などで、岸田は同期の橋爪、草野と共に学生(料理屋の客)役で出演している。
 

65年に同期である悠木千帆と結婚。翌65年に座員に昇格した。この年に出演した映画が日活の渡世一代である。高橋英樹、和泉雅子主演の大正時代を舞台にしたヤクザものだが、岸田は高橋、和泉/松尾嘉代に続くクレジット4番手の大役。高橋の弟分だった岸田だが、現代で言うパワハラ的(殴られたりとか)な接され方を恨みに思って、敵側に寝返る。最終的には高橋に仕留められるのだが、一番の悪役として目立っている。

水で書かれた物語も同年、日活で公開されているが製作は中日映画社で、浅丘ルリ子くらいしか日活俳優は出ていない。主演は岡田茉莉子浅丘、入川保則、山形勲、弓恵子、桑山正一などが共演。岸田の役は入川が子供の頃に病死した父親である。
 

翌66年に草野や妻・悠木と文学座を退団し劇団「六月劇場」を結成する。以降は舞台中心からテレビ・映画中心へ活躍の場を移している。この年は、大ヒットドラマ氷点に、ヒロイン内藤洋子の義兄役で出演し、一気に知名度を高めた。それまでにも多くのドラマに出演していたのだが、「氷点」が本格的なテレビ初出演と語っているらしい。
 

67年は日活斜陽のおもかげに出演。主演は吉永小百合で、太宰治の愛人の子という設定。岸田はその吉永と恋に落ちる役である。しかし山岳部員である彼は山で遭難してしまうのだった(結局は無事)。「氷点」で岸田と共演の新珠三千代が東宝からレンタル出演。その交換条件として浅丘ルリ子が東宝の「日本一の男の中の男に出演したという。新珠は吉永の母かず子役、つまり太宰の愛人だった人物。太宰の小説「斜陽」の主人公の名はかず子である。それにちなんで劇中での通称は「斜陽さん」だが、悪い意味ではないらしい。太宰と盟友であった作家の壇一雄が本人の役で出演している。
 

68年に悠木と離婚。円谷プロ怪奇大作戦にレギュラー出演にするが、これが自身の芝居の一大転機になったと語り、「自分は円谷育ち」と公言している。その知的なイメージは本作が大きいようである。

68年は黒部進の項でも取り上げた岡本喜八監督の斬るに出演。本作から岸田が亡くなるまでの岡本監督作品のほぼ全てに岸田は出演することになる。主演は仲代達矢、高橋悦史。他に星由里子、久保明、中村敦夫、中丸忠雄、土屋嘉男、神山繫、東野英治郎、田村奈巳など。地井武男は本作が初の映画出演。岸田は荒尾十郎太という若侍の役。

赤毛(69年)も岡本監督作品で、主演は三船敏郎である。配給は東宝だが製作は三船プロダクションだ。三船と岡本の組み合わせってイメージにないが、血と砂(65年)という作品も三船×岡本である。「赤毛」の他の出演者は寺田農、高橋悦史、岡田可愛、乙羽信子、田村高廣、伊藤雄之助、左卜全など。岩下志麻が松竹から出演。阿知波信介、木村豊幸、吉田昌史(沖田駿一)等が「少年」の役、岸田の役は番頭左右吉である。

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2 件の返信 (新着順)
すた☆みな バッジ画像
2024/09/19 17:56

岸田森さんは「ダイナマイトどんどん」、テレビドラマ「傷だらけの天使」のイメージが強いです。同期に小川真由美、橋爪功、北村総一朗、草野大悟、寺田農、悠木千帆(樹木希林)と凄いメンバ―ですね!


tetsu8
2024/09/26 01:25

俳優座養成所で言うと花の13期生(細川俊之、横内正、石立鉄男、新克利、佐藤オリエ、佐藤友美、加藤剛)なども有名です。

じょ〜い小川
2024/09/19 02:07

岸田森のおかげで「怪奇大作戦」や「帰ってきたウルトラマン」が大人が見る特撮になりましたね。


tetsu8
2024/09/26 01:20

この時代の特撮は、子供向けとは感じないのが結構ありましたね。

じょ〜い小川
2024/09/26 01:35

昭和30〜40年代の特撮は怪奇要素が強いものが多いですね。しかもこの頃はテレビ黎明期ですからモノクロとあって、奇っ怪さが増してましたね。