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LOQ
2026/01/05 15:58

ポリー・プラットという映画人について  ( 前 )

『 ラスト・ショー 』『 がんばれ ! ベアーズ 』『 プリティ・ベビー 』『 愛と追憶の日々 』『 ブロードキャスト・ニュース 』の共通点は何でしょうか ?

 

答えは ポリー・プラット Polly Platt。(1939~2011)。

彼女は俳優でも監督でもないですが、美術、脚本、製作いずれかで上記の作品に関与しています


1939年イリノイ州生まれ。 第二次世界大戦が終わると、父親が陸軍大佐としてダッハウの戦犯裁判の判事を務めることになり、6歳の時一家はドイツに移転、 ポリーはカーネギー・メロン大学に進学するまでドイツで育った「 帰国子女 」のアメリカ人。

 

1960年最初の夫を結婚9か月目に交通事故で亡くす。
その後ニューヨーク州での夏季演劇イベントに衣裳の仕事で参加し、ここでピーター・ボクダノヴィッチと知り合い、後年結婚。

ピーターは子どもころから美術館に入り浸って年間400本以上映画を見る映画オタクであり、ニューヨーク近代美術館で学芸員として特集上映を企画したりしていた。
後年ジョン・フォードやオーソン・ウェルズ、ハワード・ホークスらにインタビューした著作で知られます。  テープ起こしや、資料整理などして手伝った女性の名は明らかではないですが、状況からポリーと思われます。

ピーターは映画監督になることを志し、1966年夫妻はロスへ移住しますが、未経験の彼らに仕事の口など簡単にあるはずもなく、業界主催のパーティに参加しては食べ物にようやくありつくような日々

 ある日夫妻で『去年マリエンバードで』を観に行った際、すぐそばにロジャー・コーマンがいて、ピーターが書いた映画評論を読んでいたコーマンが自分のところで働かないかと誘ってくれた。
ポリーは、ジョン・フォード、ハワード・ホークス、フリッツ・ラングの作品が好きで、コーマンがつくる映画は趣味ではなかったが、夫婦こみで週給125ドルで雇われ、助監督から美術、衣装、編集、出演、スタントまでなんでもやらされ、こき使われた。

『 ワイルド・エンジェル 』 ( 1966 )では急遽エキストラもやることになったピーターが見境のない本物の暴走族からボコボコにされたりした。 
そういう苦労もあったが、ある日、ピーターはロジャー・コーマンから初監督のチャンスをもらう。
条件は2つ。 ボリス・カーロフの出演契約が2日残っているのでそれを活用すること。

彼のかつての主演作『 古城の亡霊 』(1963)を劇中映画として使うこと。
それさえこなせば内容は自由というものでした。

準備期間は短かったが、ピーターとポリーは1966年に起きたテキサスタワー銃乱射事件をモチーフにストーリーを作り、ピーターの初監督作『 Targets (日本劇場未公開邦題「殺人者はライフルを持っている」) 』(1968)が制作された。
ポリーも美術と衣裳で参加。
試写会の日、ロバート・ケネディ暗殺が起こり、お蔵入りになるとポリーは観念したが、数か月遅れで公開された。

その後ピーターは映画評論の仕事に戻っていたが、『イージー・ライダー』などのプロデューサー・バート・シュナイダーから、いい企画があったら撮らせてやると声がかかりました。その時ポリーは、感銘を受けていたラリー・マクマートリーの小説の映画化をピーターに勧めました。  それが『 ラスト・ショー 』(1971)で、ポリーも美術と衣裳で参加。

             


ポリーは、ある雑誌の表紙のモデルを見て、主要キャストのイメージにぴったりと、ピーターに進言。 起用されたシビル・シェパードが、「ヌードがいや」とごねたのに腹を立てたピーターがクビにしようとすると、ポリーは冷静に説得するようになだめました。
作品は高く評価され、ピーターの出世作となったが、撮影中からピーターとシビルは親密な仲となり、妻ポリーと4歳と1歳の娘を置いて、ピーターはシビルのもとに転がり込んでしまう。

離婚して、孤独で先行きも不安でだったポリーに励ましの電話をくれたのがロジャー・コーマン。 『 コーマン帝国 』で彼女は感謝を述べています。
離婚後公開のピーターの監督作『おかしなおかしな大追跡』と『ペーパー・ムーン』でもポリーはプロダクション・デザインで参加。
『ペーパー・ムーン』ではポリーはアディ役にテイタム・オニールを起用するようピーターに進言、映画はヒットし、彼女は当時の最年少でアカデミー助演女優賞を獲得。

             

 

離婚後ポクダノヴィッチとは組まずにプロダクション・デザイナをした最初の仕事が
『 がんばれ ! ベアーズ 』(1976)

 


ポリーは、アメリカ美術監督協会の初の女性会員。

以下彼女がプロダクション・デザインを務めた主な作品を挙げると、

『 スター誕生 (バーブラ・ストライサンド版)』(1976)
『 病院狂時代 』(1982)は、のちに『 プリティ・ウーマン 』を撮るゲーリー・マーシャルの劇場映画・初監督作
『 二つの頭脳を持つ男 』(1983)
『 愛と追憶の日々 』(1983) はアカデミー作品賞受賞作 ポリーも美術賞にノミネートされました。

             


「 Between Two Women 」(1986) ファラ・フォーセット主演のテレビ映画
『 イーストウィックの魔女たち 』(1987)

・・・などがあります、

 

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