怒濤の175分「国宝」
評判の良い「国宝」(李相日監督、2025年作品)をみてきました。久しぶりの邦画。吉沢亮の女形にも興味津々でしたので☺️
175分の長尺とはいえ、息をつかせぬ怒濤の展開に終始引き込まれ続けました。
おなじみ吉田修一×李相日監督
「悪人」(2010年)、「怒り」(2016年)に続き吉田修一の原作を同監督により映画化。
歌舞伎とは縁の無い任侠の一門に生まれながら、並外れた美貌と才を見いだされ梨園に拾われた少年・喜久雄は、数々の試練を乗り越えて芸の頂点へとのぼりつめる・・ある意味ファンタスティックな設定のストーリーかもしれません。しかしながら、あるときは愚行に走り、荒れる日もあり、悲惨な局面でもがく、人間味あふれる喜久雄の多面性は、いかにもリアルな人物像を描きだしています。
まだ読んでいない原作も大変素晴らしいらしく、これから手に取る予定です。

天才だけがみることのできる絶景へ
少年期を黒川想矢、成人の喜久雄を吉沢亮が演じており、女形の姿はどちらもはっとするほど美しい✨ 本物の歌舞伎役者とみまごう演技がみどころです。
少年・喜久雄の瑞々しい「関の扉」、歌舞伎の名門である花井家の御曹司・俊介(横浜流星)と競演する「二人藤娘」、花井家当主・半次郎(渡辺謙)の代打で喜久雄が実質主演を飾る「曽根崎心中」など、歌舞伎の舞台を存分に楽しめるシーンが多数。あでやかな別世界に時を忘れます。
天才とはいえ、厳しい稽古や梨園からの反感など、数々の苦境に耐えてきた喜久雄。地を這うようなつらい経験も乗り越えた先に、手にしたものとは・・!
彼だけがみることのできる絶景の映像化、終盤の「鷺娘」は、圧巻です。
本作のキャッチコピー
「ただひたすら 共に夢を追いかけた―」
すべてに変えても高みへのぼりつめたいと願った喜久雄、天才に及ばない力量と家柄の狭間で苦しみ、病魔にも冒される俊介。彼らの半世紀に及ぶ同士の関係性も、注目のポイントです。
ふたりが別離を経て、熟年期に再タッグを組む運びは、いよいよ物語が大河へと流れ込む・・そんな高揚感にあふれています。

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投稿を表示私も見てきました!熱量の凄い映画でしたね。圧倒されました。来年の日本アカデミー賞総なめの予感です。
原作も読んでみたくなりました。
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投稿を表示蔦重こと、横浜流星も出てるんですね。