私の好きな映画

tetsu8
2025/05/15 12:55

橋幸夫の出演映画 その3

引き続き、橋幸夫である。
 

64年に入るが、ここから先は松竹作品となる。まずは花の舞妓はん。橋の48枚目シングルにあたる。
映画としては前年の舞妓はんの続編で、主演も橋幸夫と倍賞千恵子だ。ただ、演じる人物は前作とは別人だ。まあ、展開も前作と似たような感じで、他の出演者は香山美子、浪花千栄子、五月女マリ、水島道太郎など。このシリーズは翌65年の「月の舞妓はん」に続くのだが、これは映画ではなく舞台作品で、やはり橋と倍賞のコンビで上演されている。
 

64年のもう1本は「孤独である。初めて映画タイトルが橋のシングルタイトルではない作品となっている。ちなみに本作の主題歌は54枚目シングル曲の「恋をするなら」である。ヒロインは倍賞ではなく桑野みゆきで、共演は高城丈二、早川保、菅原文太、真理明美、藤原釜足など。高城と橋が腹違いの兄弟という設定で共にボクシングに打ち込んでいる。橋はデビュー前にボクシングに打ち込んでいた時期があったりするのだ。

 

65年に入るが、まずは正月公開の「涙にさよならを」。橋の59枚目シングルとなるが正確なタイトルは「チェッ・チェッ・チェッ-涙にさよなならをー」である。倍賞千恵子とのコンビが復活するが、本作は橋が麻薬組織と戦うことになるアクション映画となっている。共演は香山美子、藤原釜足、入川保則、夏圭子、石黒達也、佐々木功など。

すっ飛び野郎」は久しぶりの股旅もの。橋の64枚目のシングルにあたる。ヒロイン役は倍賞千恵子、香山美子。いつもメインが倍賞で、香山は橋の妹みたいな役が多いのだが、本作ではライバル的な存在になるようだ。丹波哲郎が初共演で、彼の演じる浪人と橋の演じる旅鴉は共にその正体が公儀隠密という設定だ。他の出演者は宗方勝巳、山路義人、菅井一郎、高野真二、明智十三郎など。本作は松竹京都撮影所最後の作品となっている。
現在も松竹京都撮影所が太秦に存在し、ややこしいのだが、この65年に閉鎖された松竹京都は75年に京都映画に譲渡され京都映画撮影所になるのだが、08年に松竹京都撮影所に再度改称しているのである。つまり、太秦の松竹京都は一旦閉鎖されたものの、また名称が復活した形になっているのだ。
 

話を戻すがあの娘と僕-スイム・スイム・スイム-は、橋の68枚目のシングルタイトルでもある。舞台は葉山マリーナで、モーターボートや水上スキーの指導にあたる橋が新入社員の香山美子に当地での想い出を語るという構成になっているようだ。香山が橋映画初のメインヒロインと言っていいのか微妙ではある。過去エピソードとして夏圭子や桑野みゆきが登場するが、悲劇色の強い桑野のメイン感が強いかもしれない。他の共演者は宗方勝巳、五月女マリ、富永ユキ、大泉滉、河津清三郎など。

赤い鷹は、65年の大晦日の公開。「赤い鷹」という映画タイトルは橋のシングルタイトルではなく、主題歌は「残侠小唄」が使われている。橋は新聞の社会部記者の役で倍賞千恵子がライバル記者。危険を伴う取材を行い暴力団追放キャンペーンを行おうとする。共演は菅原謙次、金子信雄、河野秋武、山東昭子、北条きく子、市川瑛子などで暴力団組長役が待田京介。イメージでは金子、待田は日活、菅原は大映、北条は東映、河野は東宝なので一見どこの映画だかわからなくなりそうな作品だ。

 

66年に入るが、まずは雨の中の二人」。橋の75枚目シングルタイトルでもあるのだが、本作の主演は橋ではなく、田村正和と中村晃子である。橋は橋幸夫本人として出演しているのだ。橋が主演でないのは、久しぶりである。二人が働く「魚源」(魚屋ではなく仕出し弁当屋)には多くの店員がおり、その中に藤岡弘や新藤恵美もいる。共に前年のデビューで、本作では二人で駆け落ちする役だ。やはり店員役の田中晋二は子役出身で55年木下惠介が監督した「野菊の如き君なりき」の主演だったこともある。他に曾我廼家一二三、葵京子、佐藤英夫など。
 

汐風の中の二人」も、橋の80枚目シングルタイトルではあるが、主演は竹脇無我と田代美代子で、橋はやはり本人役で出演している。田代は前年にデビューした歌手でマヒナスターズとのデュエット「愛して愛して愛しちゃったのよ」が大ヒット。しかし、65年の紅白歌合戦にマヒナスターズは出場したが、田代は出場できなかった。これは、当時男女混合グループの出場ルールがなかったためである。田代のドラマや映画出演は少なく、松竹ではこの一作のようだ。共演は早瀬久美、細川俊之、柳沢真一、宇佐美淳也、ナンセンストリオなどである。
 

恋と涙の太陽は橋の81枚目のシングルでもあり、本作は橋が主演で、相手役もお馴染みの倍賞千恵子であるが、このコンビでは最終作となる。やはり橋映画お馴染みの香山美子もセットのように出演しており、この二人と初名美香、山東昭子、呉恵美子らが橋を巡る恋愛合戦を繰り広げるといったストーリーだ。他に早瀬久美、柳沢真一、待田京介など。待田はヤクザの役だ。

 

この年84枚目シングル「霧氷が発売され、レコード大賞を受賞するのだが、この曲は10月の発売である。で、12月には大賞となるのだが、どうやらこの曲というよりは積み重ね実績(66年はシングル11枚)のような理由だったらしい。霧氷も68年には100万枚を突破したようだが、個人的には出だしから先は今だに覚えていない。

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